Microsoftが先日リリースした12月の月例セキュリティパッチ/更新プログラムを適用した一部の Windows Server において、Hyper-V ホストで新しい仮想マシン(VM)を作成するときにエラーを引き起こす場合があることが判明しました。
この問題は、System Center Virtual Machine Manager (SCVMM) を使用して管理されている SDN 対応環境の Windows Server/AzStack HCI ホストにのみ影響します。既存の VM では、この更新プログラムのインストール後に接続の問題が発生することはないとの事。
また、更新プログラム(KB5021237 および KB5021249)をインストールした後、影響を受けるのは Windows Server 2019 および Windows Server 2022 のみとの事です。利用中のユーザーはご注意ください。なお、Microsoftはこの件に関して軽減策も既に提供しています。
【追記】この不具合に対処した緊急の定例外パッチが配信開始となりました。必要に応じて手動にてインストールしてください。
不具合の概要
この更新プログラムを SDN 構成の System Center Virtual Machine Manager (VMM) で管理される Hyper-V ホストにインストールすると、VM ネットワークに接続された新しいネットワーク アダプタ(ネットワーク インターフェイス カードまたは NIC とも呼ばれます)または VM ネットワークにネットワーク アダプタを接続した新しい仮想マシン (VM) を作成するワークフローでエラーが発生する場合があります。このアップデートをインストールしても、既存のネットワーク アダプタを持つ既存の VM には接続の問題は発生しません。
この問題が発生すると、次のエラーのいずれかが発生する可能性があります。
- 新しい VM または既存の VM 上の新しいネットワーク アダプタを作成するときに、「<vmName> failed to modify device ‘Ethernet Connection」と表示されることがあります。
- Software defined networking (SDN) software load balancer サービスが失敗し、”<SLBVMName> failed to modify device ‘Ethernet Connection’ error” と表示されることがあります。
- SDN RAS Gateway サービスが失敗し、”<GatewayVMName> failed to modify device ‘Ethernet Connection’ error” というメッセージが表示されることがあります。
問題の軽減策
この問題を軽減するには、SCVMM が管理する Hyper-V ホストすべてで、管理者権限にて PowerShell ウを開き(スタートボタンを選択してから powershell と入力し、右クリックまたは長押しして “管理者として実行する” を選択)、次のコマンドを実行してください。
$lang = (Get-WinSystemLocale).Name C:\Windows\system32\wbem\mofcomp.exe C:\Windows\system32\wbem\ $lang \VfpExt.mfl C:\Windows\system32\wbem\mofcomp.exe C:\Windows\system32\wbem\VfpExt.mof
軽減策を一括展開するための専用スクリプト等も用意されています。詳細は以下のマイクロソフト公式サイトでご確認ください。
対処状況
マイクロソフトは解決策に取り組んでおり、今後のリリースでアップデートを提供する予定です。
Microsoftは2022年12月20日、定例外(OOB/Out-of-band)のアップデートをリリースしました。
この更新プログラムは、System Center Virtual Machine Manager (VMM) で管理される Software Defined Networking (SDN) を使用する場合に、新しい仮想マシン (VM) または既存の VM の新しいネットワーク アダプタに問題が発生する可能性がある既知の問題に対処しています。
この問題を解決するには、この問題の影響を受ける環境内のすべての Hyper-V ホストに、以下の更新プログラムのいずれかをインストールする必要があります。この問題を解決するために、環境内の他のサーバーまたはクライアントデバイスに更新プログラムをインストールしたり、変更を加えたりする必要はありません。
これらの定例外(OOB)更新プログラムのスタンドアロン パッケージを取得するには、Microsoft Update カタログで KB 番号を検索してください。これらの更新プログラムは、Windows Server Update Services(WSUS)およびMicrosoft Endpoint Configuration Managerに手動でインポートすることができます。WSUS の手順については、「WSUS とカタログサイト」を参照してください。Configuration Manger の手順については、「Microsoft Update カタログから更新プログラムをインポートする」を参照してください。
注意:以下の更新プログラムはWindows Updateから利用できないため、自動的にインストールされません。
累積的な更新プログラム:
注意:これらの累積的な更新プログラムをインストールする前に、以前の更新プログラムを適用する必要はありません。2022年12月13日にリリースされた更新プログラムをすでにインストールしている場合、上記の更新プログラムを含むそれ以降の更新プログラムをインストールする前に、影響を受ける更新プログラムをアンインストールする必要はありません。
参考サイト:BleepingComputer
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