Microsoftが8月12日、2022年8月9日にWindows UpdateにてWindows 10/11などに配信されたKB5012170のインストールに失敗し、0x800f0922エラーが表示される不具合が発生していることを発表しました。
KB5012170はSecure Boot DBXのセキュリティ更新プログラムであり、今回の不具合は2022年8月9日にリリースされた最新の累積セキュリティ更新プログラム、月例ロールアップ、およびセキュリティのみの更新プログラムには影響しません。
ただし、KB5012170のインストールに失敗して0x800f0922エラーが発生する場合の対処はやや面倒。
まず、事前にデバイスメーカーから最新のUEFI BIOSを入手して更新し、その後KB5012170をインストールすると成功する可能性があります。また、BitLockerの設定が影響する場合もある様子。
対処が難しい場合は、マイクロソフトやデバイスメーカーの対処を待ちましょう。また、KB5012170が無事適用された環境でも、適用後にUEFI BIOSの設定が変更される場合があるかもしれません。気になったらBIOS設定を再確認してみてください。
KB5012170:Secure Boot DBX のセキュリティ更新プログラム概要
このセキュリティ更新プログラム「KB5012170」は、サポートされている Windows バージョンの Secure Boot DBX を強化します。 主な変更点は次のとおりです。
統合拡張ファームウェア インターフェイス (UEFI) ベースのファームウェアを持つ Windows デバイスは、セキュア ブートを有効にして実行できます。 Secure Boot Forbidden Signature Database (DBX) は、UEFI モジュールの読み込みを防止します。この更新プログラムは、DBX にモジュールを追加します。
セキュリティで保護されたブートには、セキュリティ機能バイパスの脆弱性が存在します。 攻撃者がこの脆弱性を悪用した場合、セキュリティで保護されたブートをバイパスし、信頼されていないソフトウェアを読み込む可能性があります。
このセキュリティ更新プログラムは、既知の脆弱な UEFI モジュールのシグネチャを DBX に追加することで、この脆弱性を解決します。
このセキュリティの脆弱性の詳細については、次のアドバイザリを参照してください。
このセキュリティの脆弱性の詳細については、次のリソースを参照してください。
- CVE-2022-34301 |Eurosoft ブート ローダー バイパス
- CVE-2022-34302 |New Horizon Data Systems Inc ブート ローダー バイパス
- CVE-2022-34303 |Crypto Pro ブート ローダー バイパス
不具合の概要
KB5012170 をインストールしようとすると、インストールに失敗し、エラー 0x800f0922 が表示されることがあります。
影響を受けるプラットフォーム
影響を受けるプラットフォームは以下の通りです。
- Client:Windows 11, version 21H2; Windows 10, version 21H2; Windows 10, version 21H1; Windows 10, version 20H2; Windows 10 Enterprise LTSC 2019; Windows 10 Enterprise LTSC 2016; Windows 10 Enterprise 2015 LTSB; Windows 8.1
- Server:Windows Server 2022; Windows Server, version 20H2; Windows Server 2019; Windows Server 2016; Windows Server 2012 R2; Windows Server 2012
既知の問題/不具合の回避策
KB5012170の既知の問題、および不具合の回避策は以下の通りです。
既知の不具合①
一部の元の機器製造元 (OEM) ファームウェアでは、この更新プログラムのインストールが許可されない場合があります。この問題を解決するには、ファームウェア OEM にお問い合わせください。
既知の不具合②
BitLocker グループ ポリシーネイティブ UEFI ファームウェア構成の TPM プラットフォーム検証プロファイルを構成し、ポリシーで PCR7 が選択されている場合、更新プログラムのインストールに失敗する可能性があります。
PCR7 バインドの状態を表示するには、管理者権限を持つ Microsoft System Information (Msinfo32.exe) ツールを実行します。
この問題を回避するには、この更新プログラムを展開する前に、次のいずれかの操作を行います。
■資格情報ガードが有効になっていないデバイスで、管理者コマンド プロンプトから次のコマンドを実行して、BitLocker を 1 回の再起動サイクルで中断します。
Manage-bde –Protectors –Disable C: -RebootCount 1
次に、更新プログラムを展開し、デバイスを再起動して BitLocker 保護を再開します。
■Credential Guard が有効になっているデバイスで、管理者コマンド プロンプトから次のコマンドを実行して、BitLocker を 2 回の再起動サイクルで中断します。
Manage-bde –Protectors –Disable C: -RebootCount 3
次に、更新プログラムを展開し、デバイスを再起動して BitLocker 保護を再開します。
詳細は以下のページでご確認ください。
Microsoftの対処状況
現在マイクロソフトはこの不具合を調査中であり、次回のリリースで最新情報を提供する予定です。
コメント
今回のトラブルに関して結論から申し上げると
マイクロソフトの思慮不足にほかならない
世に存在するパソコンが全てGPT(UEFI)機器として決めつけ
一方MBR(レガシー)機器も存在する機器もある
レガシーでないと動作しないソフトがある
これらに機器には適合しないので回避策を提供してもらいたい
今回の件は色々と不具合も多発しているようなので、なんとかマイクロソフトに対処してほしいものですね。