米Googleは8月6日(現地時間)、Android OSの最新バージョンである「Android 9 Pie」を正式に発表しました。
今回の「Android 9 Pie」では、デバイスの使用状況に応じて学習が進み、アプリのバッテリー消費を適切に管理して駆動時間を延ばしたり、画面の明るさを使用状況から学習して最適化してくれたりするようです。また、良くも悪くもiPhone X風のナビゲーションバーによるジャスチャー操作が導入されたり、ノッチへも正式に対応しています。
他にも、スマホの使い過ぎ対策の機能も充実。アプリの利用状況が確認できたり、アプリごとに利用時間の制限を付けたりも出来ます。この辺りは、iOS 12の新機能を先取りしている印象ですね。
ただし、現時点で「Android 9 Pie」へアップデートできるのは、Pixel、Pixel XL、Pixel 2、Pixel 2 XL、Essential Phone PH-1のみ。日本ではPixelシリーズが未発売なので、現状公式には「Essential Phone PH-1」所有者のみがすぐに利用できる状況でしょうか。一応SONYもアップデート対応リストに入っていますが、いつになることやら。
「Android 9 Pie」の新機能まとめ!
簡単に「Android 9 Pie」の新機能をまとめておきます。
Tailored to you
「Android 9 Pie」では、AIによるスマートな操作を大きな特徴として挙げています。あなたがどのようにスマートフォンを使用するかを日々学習し、時間が経つにつれてますます賢く、よりスムーズに動作するようになるそうです。
Adaptive Battery
アプリの利用状況を学習し、バッテリー効率を最適化してくれます。あまり使われないアプリやサービスのバッテリー消費を抑制するなどして、バッテリー無駄な消費を抑えてくれます。
Adaptive Brightness
周囲の環境に応じて従来のように明るさを自動調整するだけでなく、ユーザーによる好みの明るさなども学習し、より賢くディスプレイの輝度を自動調節してくれます。
App Actions
あなたがしようとしていることを予測し、次のタスクへ素早くアクセスできます。
Slices
秋のアップデートで、「Slices」という機能が追加される予定です。これは、使おうとしているアプリの詳細情報を検索結果に表示し、より手軽に利用できるようになる機能。
例えば、アメリカのライドシェアサービス「Lyft」を検索すれば、自宅や職場への送迎にかかる時間と距離、料金を提示し、タップすることでアプリと連動、手軽にサービスを利用できるようです。
これは上手く機能すると便利そう。
Intuitive Navigation
ボタンの代わりにジェスチャーを使うことで、アプリを切り替えたり、簡単に必要な情報を手に入れることができます。従来の3つのボタンから、iPhone X風のワンボタンに切り替わった感じでしょうか。
実際にiPhone Xを操作していると、以前のホームボタンよりも慣れると使いやすい印象。今後はAndroidの主要な操作方法になっていくのでしょうね。
Digital Wellbeing
最近はAppleも注力していますが、昨今スマホの使い過ぎは様々な面で問題とされています。大人は勿論、子供のスマホゲームのし過ぎなどなど。そこで、今回の「Android 9 Pie」では、デジタルウェルネス機能を新たに搭載しています。
Appleも同様の機能をiOS 12で搭載してくるようなので、これは時代の流れなんでしょうね。
Dashboard
ユーザーがどのようなアプリをどのくらいの頻度で使用するかについての客観的なデータを確認できます。通知の数、アプリの利用時間、確認頻度などをチェックできます。
App Timers
アプリごとに使用時間を決め、利用時間を制限出来ます。制限を超えたアプリはグレーアウトするようです。
Wind Down and Do Not Disturb
快適な睡眠を得るために、あらかじめ決められたスケジュールに沿って、夜間は画面をグレースケールに変更したり、通知を抑制することが出来ます。
「Android 9 Pie」には他にも新機能がたくさんあります!
という事で、公式ページで紹介されていた「Android 9 Pie」の新機能をサクッとまとめてみました。
こうやって見てみると、iOS 12に搭載される新機能と似たような機能がたくさん搭載されているのが分かります。AppleもGoogleも、見ている方向は同じという事でしょうか。
「Intuitive Navigation」に関しては、iPhone Xとほぼ似たような動作となっていますが、シンプルなジェスチャー操作としてはこれが最適解なのでしょうね。ただ、今回の「Android 9 Pie」の方が優れている操作もあったので、この辺りはぜひAppleにも真似してほしいところです。
色々と便利になっている「Android 9 Pie」ですが、まだ現状では使えない機能もあります。まだ噂の段階ですが、2018年10月4日に「Pixel 3」のお披露目が予定されているので、そのあたりに全機能が解放されるのかもしれません。
いずれにしても、日本で最新の「Android 9 Pie」をすぐに使うのはまだ難しい状況。この辺りが改善されると個人的にもありがたいのですが、Androidのシステム上難しいのでしょうね。せめて「Pixel」シリーズを日本でも発売してほしいものです。ちなみに「Essential Phone」は知らない間に日本でも購入可能になっていました。興味のある方はお試しを。
なお、より詳細な新機能などが知りたければ、英語ですが開発者向けサイトでも色々情報がアップされています。やや専門的な内容ですが、興味のある方はご一読くださいね。
参考サイト:
■Android 9 Pie 公式ページ
■Android 9 Pieミニレビュー、新機能と今後追加される機能について|engadget
■Google,「Android 9 Pie」を正式発表。新世代OSは機械学習を活用した動作の最適化や新しいハードウェアへの対応がポイントに|4Gamer.net
■Android 9 Pieリリース。AIの力で、より個々のユーザーにあったモバイル端末へ|GIZMODO
コメント