Windows 11(バージョン 24H2/25H2)および Windows Server 2025 ユーザーの皆様へ緊急のお知らせです。
2025年10月15日にリリースされた更新プログラム「KB5066835」、および9月に配信されたオプションパッチ「KB5065789」を適用した環境で、Web開発者やサーバー管理者に重大な影響を及ぼす不具合が確認されています。
具体的には、http://localhost/
(127.0.0.1) への接続や、IIS (Internet Information Services) を利用したWebサイトの表示ができなくなるという問題です。
本記事では、Microsoftが公式に発表したこの不具合の詳細、発生するエラー、そして現在利用できる公式の対処法を分かりやすく解説します。
1. 不具合の核心:HTTP/2 Localhost接続が切断される原因
この問題は、サーバー側のアプリケーションが依存しているWindowsのコンポーネント HTTP.sys
のバグに起因します。
発生する具体的なエラー
影響を受けるユーザーは、Webサイトの読み込みやローカルサービスへの接続時に、以下のエラーメッセージを受け取ります。
-
「Connection reset – error (ERR_CONNECTION_RESET)」
-
「ERR_HTTP2_PROTOCOL_ERROR」
このエラーは、アプリケーションが 127.0.0.1
への HTTP/2接続 を試みた際に発生し、接続が強制的にリセットされていることを示しています。
影響を受ける主なシナリオ(開発者・管理者向け)
-
IIS Webサイトの読み込みがローカルで不能になる。
-
Webサイトのテスト・デバッグ時に
http://localhost/
にアクセスできない。 -
Visual Studio でのデバッグ機能。
-
SSMS (SQL Server Management Studio) のEntra ID認証。
-
Duo Desktop など、ローカルサービスへの接続を必要とするセキュリティアプリケーション。
影響を受ける更新プログラムとプラットフォーム
更新プログラム | リリース時期 | 影響 |
KB5066835 | 2025年10月14日 | 主な原因の一つ |
KB5065789 | 2025年9月プレビュー | 影響の可能性があるプレビュー更新 |
影響を受けるOS | |
クライアント | Windows 11, version 25H2; Windows 11, version 24H2 |
サーバー | Windows Server 2025 |
2. Microsoft公式の解決策:KIRと手動修復手順
Microsoftは、この接続問題を既に「既知の不具合 (Known Issue)」として公表し、「Known Issue Rollback (KIR)」メカニズムを用いて自動修正を進めています。
対処法①:【最速】自動解決(KIR)と再起動の推奨
-
一般のホームユーザーおよび集中管理されていないビジネスデバイスでは、KIRにより自動的に問題が解決されます。
-
解決策をデバイスに早く適用させるには、Windowsデバイスを一度再起動することが最も効果的です。
対処法②:手動による更新プログラムの確認・適用
自動解決が確認できない場合、以下の手順でWindows Updateを手動でチェックし、問題を修復します。
-
影響を受けているデバイスで、「Windows設定」アプリから「Windows Update」を開きます。
-
「更新プログラムのチェック」をクリックし、利用可能な更新プログラムがあればインストールを許可します。
-
【重要】 更新プログラムの有無にかかわらず、必ずデバイスを再起動します。
対処法③:【IT管理者向け】グループポリシーによる修正
企業や学校で集中管理されているデバイスでは、KIRのグループポリシーを適用する必要があります。
-
Microsoftが提供する「Known Issue Rollback」用のグループポリシー(.msiファイル)をダウンロードします。
-
ダウンロードしたポリシーを、コンピューターの構成 > 管理用テンプレート の下でインストール・構成し、適用します。
-
対象OS向けのグループポリシーが用意されています。(例: Windows 11 24H2, Windows 11 25H2, Windows Server 2025向け)
結論:今後の見通し
Microsoftは、KIRと上記のグループポリシーによる暫定的な解決策を提供しつつ、この問題に対する恒久的な修正プログラムを今後のWindows Updateでリリースするために作業中です。
Web開発やサーバー運用に携わる方は、まずはデバイスの再起動とWindows Updateの確認を行い、問題の早期解決を図ってください。
コメント