Microsoftは、Windows 10 バージョン22H2、21H2、20H2を実行しているPC向けに、追加のオプションパッチ(通称“C”パッチ)「KB5023773」の配信を開始しました。
今回のオプションパッチ「KB5023773」では、USB プリンターが誤ってマルチメディアデバイスとして認識されてしまう不具合などが修正されています。ちなみに今回は不具合の修正がメインで、新機能の追加は特にありませんでした。
あくまでも「KB5023773」はセキュリティ修正を含まない定例外のオプションパッチであり、特に問題が発生していない場合は無理にインストールする必要はありません。必要に応じてインストール作業を行ってください。
なお、「KB5023773」の内容とセキュリティ更新を含む次回の定例月例パッチは4月12日(水)に配信予定です。
「KB5023773」のアップデート内容
「KB5023773」の更新には、セキュリティ以外の各種品質改善が含まれています。主な変更点は次のとおりです。
Windows 10 バージョン 20H2
- この更新プログラムは、USB プリンターに影響する問題に対処します。システムは、マルチメディア デバイスではないにもかかわらず、それらをマルチメディア デバイスとして分類します。
- この更新プログラムは、ms-appinstaller URI に影響します。DesktopAppInstaller ポリシーで動作するようになりました。
- この更新プログラムは、リモート プロシージャ コール サービス (rpcss.exe) に影響する問題に対処します。この問題により、分散コンポーネント オブジェクト モデル (DCOM) と Microsoft リモート プロシージャ コール (RPC) エンドポイント マッパーの間で競合状態が発生する可能性があります。
- この更新プログラムは、Microsoft HTML アプリケーション ホスト (HTA) に影響する問題に対処します。この問題により、Microsoft HTA を使用するコードの実行がブロックされます。これは、Windows Defender Application Control (WDAC) ユーザー モード コード整合性 (UMCI) 強制モードをオンにすると発生します。
- この更新プログラムは、Desired State Configuration に影響する問題に対処します。以前に構成されたオプションは失われます。これは、metaconfig.mof が欠落している場合に発生します。
- この更新プログラムは、一部のプリンターに影響する互換性の問題に対処します。これらのプリンターは、Windows グラフィカル デバイス インターフェイス (GDI) プリンター ドライバーを使用します。これらのドライバーは、GDI 仕様に完全には準拠していません。
- この更新プログラムは、Simple Certificate Enrollment Protocol (SCEP) 証明書に影響する問題に対処します。システムは、一部の SCEP 証明書のインストールが失敗したと報告します。本来、システムはそれらを保留中として報告する必要があります。
- この更新プログラムは、Fast Identity Online 2.0 (FIDO2) PIN 資格情報アイコンに影響する問題に対処します。外部モニターの資格情報画面には表示されません。これは、モニターが閉じたラップトップに接続されている場合に発生します。
- この更新プログラムは、Windows アプリ SDK (WinUI 3) で Windows UI ライブラリを使用するアプリケーションに影響します。これにより、Windows 10 デバイスでそれらのアプリケーションの印刷が可能になります。
- この更新プログラムは、SharedPC アカウント マネージャーに影響する問題に対処します。クリーンアップ中に複数のアカウントを削除することはできません。
- この更新プログラムは、lsass.exe に影響を与える可能性がある問題に対処します。反応しなくなることがあります。これは、非常に大きな LDAP フィルタを持つドメイン コントローラに LDAP (Lightweight Directory Access Protocol) クエリを送信した場合に発生します。
以前のアップデートをインストールした場合、このパッケージに含まれる新しいアップデートのみがデバイスにダウンロードされ、インストールされます。
Windows 10 バージョン21H2
このセキュリティ以外の更新プログラムには、品質の改善が含まれています。主な変更点は次のとおりです。
- このビルドには、Windows 10, バージョン 20H2 からのすべての改善が含まれています。
- このリリースについて追加の問題は記録されていません。
Windows 10 バージョン 22H2
このセキュリティ以外の更新プログラムには、品質の改善が含まれています。主な変更点は次のとおりです。
- このビルドには、Windows 10, バージョン 20H2 からのすべての改善が含まれています。
- このリリースについて追加の問題は記録されていません。
「KB5023773」の既知の不具合
「KB5023773」には以下の既知の不具合があります。
カスタムオフラインメディア等でインストールされたデバイスでは新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合がある
■不具合の概要:
カスタムオフラインメディアまたはカスタムISOイメージから作成されたWindowsデバイスでは、このアップデートによってMicrosoft Edge Legacyが削除されても、新しいMicrosoft Edgeに自動的に置き換えられない場合があります。この問題は、カスタムオフラインメディアまたはISOイメージが、2021年3月29日以降にリリースされたスタンドアロンのサービススタック更新プログラム(SSU)を最初にインストールせずに、この更新プログラムをイメージにスリップストリームして作成された場合にのみ発生します。
※注意:Windows Updateに直接接続して更新プログラムを受信するデバイスは影響を受けません。これには、Windows Update for Businessを使用しているデバイスも含まれます。Windows Updateに接続しているデバイスは、追加の手順を踏まなくても常に最新版のSSUおよび最新の累積的な更新プログラム(LCU)を受け取ることができます。
■回避策:
この問題を回避するには、まず2021年3月29日以降にリリースされたSSUをカスタムオフラインメディアまたはISOイメージにスリップストリームしてから、LCUをスリップストリームするようにしてください。現在、Windows 10, version 20H2およびWindows 10, version 2004で使用されているSSUとLCUの統合パッケージでこれを行うには、統合パッケージからSSUを抽出する必要があります。以下の手順でSSUを抽出してください。
- Windows10.0-KB5000842-x64.msu /f:Windows10.0-KB5000842-x64.cab <保存先パス>を展開します。
- 次のコマンドラインを使用して、先に抽出したcabからSSUを抽出します:expand Windows10.0-KB5000842-x64.cab /f:* <destination path>
- この例では、SSU-19041.903-x64.cabという名前のSSU cabが作成されます。このファイルを最初にオフラインイメージに入れ、次にLCUに入れてください。
影響を受けたカスタムメディアを使用してOSをインストールした際に既にこの問題が発生している場合は、新しいMicrosoft Edgeを直接インストールすることで、この問題を軽減することができます。新しいMicrosoft Edge for businessを広範囲に展開する必要がある場合は、「Microsoft Edge for businessのダウンロードと展開」を参照してください。
自動ログオンが有効なキオスク端末のプロファイルが自動的にサインインしない場合がある
■不具合の概要:
2023年1月10日以降にリリースされたアップデートをインストールすると、自動ログオンが有効なキオスク端末のプロファイルが自動的にサインインしない場合があります。Autopilotがプロビジョニングを完了した後、影響を受けるデバイスは、認証情報を要求するサインイン画面に留まります。
■対処状況:
マイクロソフトは現在解決策を検討中であり、今後のリリースで最新情報を提供する予定です。
Windows 10 22H2 / 21H2 /20H2:「KB5023773」のダウンロード&インストール方法
Windows 10 20H2 / 21H2 / 22H2向けのオプションパッチ「KB5023773」のダウンロード&インストール方法は以下の通りです。
※あくまでも“オプションパッチ”のため、必要に応じてインストール作業を行ってください。
- Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手
- Microsoft Update Catalogから更新プログラムをダウンロード
Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手する場合は、以下の通り作業してください。
まずは「設定」アプリを開き「更新とセキュリティ」を開きます。
その後「Windows Update」を開き、【オプションの品質更新プログラムがあります】の項目にある「2023-03×64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2(※バージョンにより異なる)の累積更新プログラム(KB5023773)」の下部にある【ダウンロードしてインストール】をクリックします。
※表示されない場合は【更新プログラムのチェック】をクリックしてください。
※画像は過去バージョンのものを流用しております。
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