Googleが米国時間10月6日に開催したイベント「Made By Google 2022」において、「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」「Pixel Watch」が正式に発表されました。また、「Pixel Tablet」についても追加の情報が出てきました。
個人的に気になったポイントをまとめておくので、良かったら参考にどうぞ。
なお、少し興味のあったWi-Fi 6E対応「Nest WiFi Pro」と、スマートドアベル「Nest Doorbell (Wired)」については、現時点で日本での発売はアナウンスされていません。
Pixel 7
Google Pixel 7は、洗練された耐久性のあるマットなアルミニウム筐体により、これまで以上に上品な仕上がりになった印象。Pixel 6の6.4インチ画面と比較してわずかに小さい6.3インチとなり、FHD+(1080 x 2400/416ppi)の有機ELディスプレイはベゼルが若干スリムになっています。ディスプレイは最大90Hzに対応し、屋外での輝度は25%アップとの事。
RAMは8GBで、プロセッサにはGoogleの新型Tensor G2が搭載されています。Tensor G2によって各種処理速度が高速化され、優れたゲーム体験、スマートな音声認識(ユーザーの話し方の特徴を把握など)、写真の画質とカメラ処理速度の向上などの恩恵と共に、省電力性能アップに伴ってバッテリー駆動時間も延長されました。
なお、Pixel 7のバッテリー容量もわずかに小さくなっていますが、24時間のバッテリー寿命と、スーパー バッテリー セーバーで72時間の使用が可能となっています。
カメラに関して、Pixel 7は引き続き50MPの広角カメラと12MPの超広角カメラの2眼カメラが採用されています。広角カメラは50MPですが、センサーの中央にある12メガピクセルを使用することで、より自然な2倍ズームモードが利用できるようになりました。また、Pixel 7の前面カメラは、Pixel 6 ProやPixel 7 Proと同じ10.8MPにアップグレードされています。動画撮影に関しては、iPhoneの「シネマティックモード」に似た背景をぼかせる「シネマティックぼかし」が利用可能となっています。
生体認証に関しては、Pixel 7は指紋認証と顔認証に対応していますが、重要な認証に関しては指紋認証が必須のようです。iPhoneほどの厳密な顔認証ではないようなのでご注意を。
Google Pixel 7の価格は82,500円~となっており、既に予約注文可能。10月13日に発売予定です。
Pixel 7 Pro
Google Pixel 7 Proは、特にカメラ面でかなり多くの変更が加えられています。Pixel 7 Proは、Pixel 7と同様、2倍デジタルズームが利用可能な50MPのメインカメラを搭載。Proにのみ搭載される48MPの望遠カメラは5倍光学ズームにアップグレードされ、超解像ズーム機能によって最大30倍のズームも可能です。超広角カメラはPixel 7と比べて視野角が21%広く、マクロフォーカスにも対応しているのは、Pixel 7との大きな差別化ポイントでしょう。
Pixel 7 Proは6.7インチ、QHD+(1,440 x 3,120/512ppi)の有機ELパネルを採用し、リフレッシュレートは10-120Hzの可変式。新しいTensor G2チップはPixel 7と同じですが、メモリは12GBと少し多めに搭載されています。バッテリーについては5000mAhの容量で、Googleは24時間のバッテリー持続時間とスーパー バッテリー セーバー利用で72時間の使用が可能と表記しています。
生体認証に関しては、Pixel 7 Proも指紋認証と顔認証に対応していますが、重要な認証に関してはやはり指紋認証が必須のようです。
Google Pixel 7 Proの価格は124,300円~となっており、既に予約注文可能。10月13日に発売予定です。
Pixel Watch
日本でも注目度の高いGoogle初のスマートウォッチ「Pixel Watch」ですが、事前のリーク通り、Apple Watch Series 8などのスクエアデザインと異なり、丸い文字盤を採用しているのが大きな特徴となっています。バンドについては後日色々発売されるようです。
そしてPixel Watchは、Googleが買収したFitbitとの緊密な統合により、ワークアウトと健康データの追跡機能が充実している印象。Googleは、心拍測定機能の正確さや40種類の豊富なエクササイズ モードの搭載などを前面に押し出して宣伝しています。睡眠追跡機能もありますが、バッテリー持ちが最大24時間となっているのは少し不安なところ。
Google Pixel Watchには、Bluetooth/Wi-Fi または 4G LTE モデルがあり、価格はそれぞれ39,800円と47,800円です。また、Fitbit Premiumの6か月分と YouTube Music Premiumの3か月分も含まれています。Pixel Watchは本日から予約注文可能となっており、10月13日発売予定です。
おサイフケータイの対応状況は微妙、Suicaは限定的に利用可能
Felica搭載でPixel Watchはおサイフケータイに対応か!?と期待が高まりましたが、蓋を開けてみると対応状況はなんとも微妙な感じでした。もしもSuicaなどを利用するつもりの方は、事前に良く情報を精査しておいてくださいね。
- チャージした残高を利用した「鉄道/バスの乗車」「物品の購入(電子マネー)」のみ利用可能
- 定期券、Suicaグリーン券、おトクなきっぷには未対応
- オートチャージも非対応
- スマホの「Watchアプリ」からSuicaを新規発行する必要あり
- PASMOなどは非対応
- FeliCa系のキャッシュレスサービス(iD/QUICPay)も非対応
※2022/10/9時点の情報
https://www.jreast.co.jp/press/2022/20221007_ho04.pdf
参考サイト:ITMedia Mobile
Pixel WatchはiPhoneに非対応、Android 8.0以降のスマートフォンが必要
Pixel Watchは残念ながらiPhoneには非対応となっています。
また、Pixel Watchを利用するには、Android 8.0以降のスマートフォンが必要です。スマートフォンの「Google Pixel Watch app」を使用して、ウォッチフェイス、設定、通知、表示設定を管理できます。
ECG(心電図)は機能搭載も日本ではまだ使えない、体温測定機能も無し
Pixel Watchには心拍数の測定機能や血中酸素センサーなどが搭載されていますが、体温測定機能は搭載されていません。また、ECG(心電図)機能は搭載されていますが、日本ではまだ認可を取得できておらず使用できないようです。
転倒検出機能は2023年に実装予定
Pixel Watchには転倒検出機能もありますが、これは2023年に実装予定となっており、発売直後は利用できないようです。上記のECG(心電図)同様、早く利用できるようになると良いですね。
Pixel Tablet
Googleは発表会で、「Pixel Tablet」に関する追加情報も提供しました。
まだ詳細は分かりませんが、Google独自の最新Tensor G2プロセッサを搭載することが発表された他、専用のスピーカー内蔵の充電スタンドが用意され、マグネットで簡単に取り付けられる事、そしてその際にはNest Hubのようなスマートディスプレイとして利用可能となる事が判明しました。
Pixel Tabletは2023年に登場予定となっています。個人的にiPad Air程度の価格設定なら欲しい気もします。
まとめ:Pixel 7/7 Proは無難なアップデート、Pixel Watchはまだ時期尚早?
「Made By Google 2022」にて発表された「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」「Pixel Watch」ですが、とりあえず個人的に気になったポイントをまとめてみました。
「Pixel 7」「Pixel 7 Pro」については、目を引く大きなアップデートはなかったものの、カメラ機能のブラッシュアップなど、無難なアップデートとなっています。デザインも好評だったのか、Pixel 6シリーズを引き継ぐ形となっていますね。
なお、Pixel 7では顔認証が新たに利用可能となっていますが、iPhoneの「Face ID」のように3Dセンサーは搭載していないため、ネットバンクの決済などのセキュアな認証には、引き続き指紋認証が利用されているようです。それでも普段の認証の選択肢が広がったのはありがたいかと思います。
また、Pixel 7シリーズでは、「Googleフォト」アプリを用いることで、他のカメラで撮影したぼやけた失敗写真の修正もできるようになっています。テレビのニュースでも新機能として話題になっていたので、どこまで実用的かは分かりませんが少し興味のある新機能です。
他にも、マニアックなところではGoogle Oneの組み込みVPN(近日提供開始)がPixel 7シリーズの特典として利用可能となっています。詳細は英語ですが、以下のページで確認できます。
先日購入したPixel 6aは個人的にはなかなかバランスの良いスペックで気に入っています。顔認証やカメラ性能、Tensor G2のスペックアップなどを良く検証し、購入をそれぞれ検討してみてください。
次に「Pixel Watch」ですが、デザインやセンサー関係は十分だと思いますし、Fitbit買収でのサービス包括は大きな売りになるでしょう。
一方、せっかくFelica搭載なのに使えないサービスが多いことと、ECG(心電図)がまだ日本で使えないのは大きな欠点。転倒検出機能も2023年に実装予定となっています。Apple Watchも当初は日本でECG(心電図)が使えない時期もあったので、今後の「Pixel Watch」のアップデートに期待したいところです。
ただし、Androidユーザーからすると高機能なスマートウォッチとして興味津々な方も多いかと思いますが、個人的には発売後もう少し様子をみて、日本国内でのレビューを確認してから購入する方が無難かとも思います。また、Googleはブラックフライデーなど、定期的にデバイスの割引セールも多く行います。そういう点でも、待てるなら購入は焦らない方が良いかもしれません。
それでも、Googleとしてなかなか気合の入っている「Pixel Watch」を日本でも速やかに発売してくれたこと、およびFelica搭載でSuicaを利用できるようにGoogleが頑張ってくれているのは評価したいところです。
Fitbitの技術があるので悪くない仕上がりだとは思いますが、発売直後は使えない機能もあるので、「Pixel Watch」の購入は皆さんじっくり検討してみてくださいね。
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