Microsoftは2026年9月22日、Windows 11 バージョン25H2およびバージョン24H2向けのプレビュー更新プログラムKB5124010をリリースしました。この更新プログラムを適用すると、Windows 11 25H2はOSビルド26200.9550に、Windows 11 24H2はOSビルド26100.9550にそれぞれ更新されます。
今回のKB5124010は新たなセキュリティ修正を含まない非セキュリティのプレビュー更新プログラム(オプション更新/オプションパッチ)であり、インストールしなくてもセキュリティ上の問題が生じるわけではありません。
段階的な展開では、File Explorerのプレビュー機能改善やEmoji 17.0への対応、Widgetsへの「ヒント」ウィジェット追加、Bluetooth関連の安定性向上、タッチパッドの新しいジェスチャー操作、Copilotキーの再割り当て設定など、日常的な使い勝手に関わる改善が多数含まれています。また、WinRE(Windows回復環境)がWi-Fiプロファイルを自動的に再利用できるようになったほか、PC-to-PC Migration機能が提供終了となる点にも注意が必要です。
通常ロールアウトでは、カメラアプリの不具合修正やファイル履歴のバックアップ問題、System Monitor(Sysmon)の各種修正が行われています。
なお、既知の問題として、2026年9月8日のセキュリティ更新プログラム(KB5124008)以降でドメイン参加済みデバイスの信頼関係が失われる不具合や、USB Audio Class 1.0デバイスが正常に動作しなくなる不具合が引き続き報告されています。適用の際は十分ご注意ください。
お知らせ・注意事項
Windows Secure Boot証明書の有効期限について
重要: ほとんどのWindowsデバイスで使用されているSecure Boot証明書は、2026年6月から順次有効期限を迎え始めています。Microsoftはここ数か月にわたり、コンシューマー向けおよび非管理対象のビジネスデバイスにおいてこれらの証明書を更新しています。新しい証明書をまだ受け取っていないデバイスも、引き続き正常に起動・動作し、通常のWindows更新プログラムのインストールも継続されます。更新された証明書は、今後数か月かけてWindows Update経由で配信され続けます。詳細については、Windows Secure Boot証明書の有効期限とCAの更新を参照してください。
更新プログラムの提供終了について
Windows 11 バージョン24H2のHome および Proエディションは、2026年10月13日に更新プログラムの提供終了(end of updates)を迎えます。これらのエディションを実行しているデバイスは、既知の問題に対する修正、タイムゾーンの更新、テクニカルサポート、および最新のセキュリティ脅威からの保護を含む月例のセキュリティ更新プログラムやプレビュー更新プログラムを受け取れなくなります。Enterprise および Educationエディションは、2027年10月12日までサポートが継続されます。保護と最新性を維持するため、最新バージョンのWindows 11へのアップグレードが推奨されています。
段階的な展開による新機能・改善点
以下は、段階的に展開される新しいWindows 11 PCの機能や改善点、修正内容です。角括弧内の太字はその変更が属する項目・分野を示しています。
File Explorer
新機能! 今回の更新により、Webからダウンロードしたファイルに対するプレビューウィンドウの扱いが調整されます。HTMLファイルについては、新しく「とにかくプレビューする」ボタンが追加され、警告を確認したうえでファイルをプレビューできるようになります。PDFなどHTML以外のファイルは、自動的にプレビューされるようになります。
新機能! File ExplorerのホームUIで、各セクションの表示状態(展開/折りたたみ)が保持されるようになり、前回の状態から作業を再開できます。
新機能! 詳細ウィンドウにおけるクラウドファイルのサムネイルプレビューの信頼性が向上しました。また、ファイルのプロパティを一目で確認しやすいように、詳細ウィンドウのレイアウトが再編成されています。
新機能! アドレスバーの右側付近をクリックして編集モードに入る際、アドレスバーの内容が消去されてしまう問題が修正されました。
絵文字(Emoji)
新機能! Emoji 17.0がサポートされ、「歪んだ顔」「戦いの雲」「毛むくじゃらの生き物」などの新しい絵文字が追加されました。絵文字パネルを開くには、Windowsキー + .(ピリオド)を押します。
新機能! 既存の一部絵文字(敬礼する顔、片目をのぞかせる顔、ガチョウ、蓮、投げキッスする猫など)のデザインが、プラットフォーム間での一貫性向上のために見直されました。
Widgets
新機能! Windowsの機能に関する短く役立つガイダンスを提供する「ヒント」ウィジェットが追加されました。Widgetsボードに追加するには、ボードを開いて「ウィジェットを追加」を選択し、「ヒント」を選びます。ロック画面に追加する場合は、「設定」>「個人用設定」>「ロック画面」からロック画面ウィジェットに「ヒント」を追加します。
個人用設定(Personalization)
デスクトップの背景に関するさまざまな改善が行われています。
- 「設定」の「個人用設定」>「背景」ページの信頼性が向上しました。
- DIB形式の画像ファイルをデスクトップの背景として使用できるようになりました。
- 新規作成したアカウントにおける、デスクトップスライドショーの切り替えの信頼性が向上しました。
- 「個人用設定」>「背景」でデスクトップの背景を選択する際のプレビューの解像度が向上しました。
- 縦向きモードのモニターを使用しているユーザー向けに、「設定」でのデスクトップ背景のプレビュー表示が改善されました。
- 短時間に連続して発生するデスクトップの壁紙変更処理の信頼性が向上しました。
- 複数のデスクトップでスライドショーの壁紙を使用できるようになり、自動的に「画像」設定に戻ってしまうことがなくなりました。
Bluetooth
Bluetoothデバイスへの接続および使用時の信頼性と使い勝手を向上させるため、複数の改善が行われています。
- 通話中に、Bluetooth Classic Audioアクセサリ側の音量調整を行った際、Windowsシェルの音量フライアウトが表示され、新しい音量レベルを視覚的に確認できるようになりました。
- PCから切断されたアクセサリについて、Windowsが表示する接続状態の正確性が向上しました。
- 「設定」のBluetoothとデバイスのページで、Bluetoothやオーディオデバイスを管理する際の安定性が向上しました。
- Bluetoothの無線がオフになっているにもかかわらず、「Bluetoothとデバイス」ページのトグルがオンと表示されてしまう問題が修正されました。
- 特定のBluetooth Classicオーディオアクセサリとのマイク互換性が向上しました。
- Bluetoothオーディオのストリーミング中にクラッシュ(エラーコード0x139)が発生する場合がある問題が修正されました。
- LE Audioアクセサリとの信頼性とパフォーマンスが向上しました。
- 共有オーディオの信頼性が向上しました。
アクセシビリティ
新機能! アプリのウィンドウを開いた際に自動的に最大化する、新しいアクセシビリティ設定「アプリを最大化して開く」が追加されました。スクリーンリーダーや拡大鏡を使用している場合、タブレットモードで作業している場合、あるいは常に全画面表示の作業スペースを好む場合など、日常的なちょっとした手間を軽減します。オンにするには、「設定」>「アクセシビリティ」>「視覚効果」から「アプリを最大化して開く」をオンにします。
キーボード、ゲームパッド、またはナレーターを使用する際の、Bluetoothクイック設定ページのナビゲーションが改善されました。
拡大鏡(Magnifier)
新機能! 拡大鏡のタスクバーのデザインが刷新されました。
- アイコンの更新: 拡大鏡のツールバーアイコンがWindows 11のビジュアルデザインに合わせられ、よりすっきりとモダンな印象になりました。
- 間隔とパディングの調整: ツールバー全体の間隔とパディングが調整され、より洗練された一貫性のあるレイアウトになりました。
なお、表示モード、ズームコントロール、キーボードショートカット、読み上げ機能については、これまでのバージョンと変わらず動作します。
設定(Settings)
- 「設定」の「Bluetoothとデバイス」>「プリンターとスキャナー」ページの操作時の信頼性が向上しました。
- 「設定」>「アプリ」>「インストールされているアプリ」で、パッケージ化されたアプリについても、他のアプリと同様にトップレベルでバージョン番号が表示されるようになりました。
- 「設定」内の時刻選択コントロールが、12時間表示と24時間表示を切り替えた際に、選択している時刻形式を正しく反映するように改善されました。これはアクティブ時間の設定や夜間モードのスケジュール設定などの場面に適用されます。
- 「設定」>「Bluetoothとデバイス」>「カメラ設定」にある「複数のアプリで同時にカメラを使用できるようにする」オプションの設定保持が改善されました。
タッチパッド
新機能! 「設定」>「Bluetoothとデバイス」>「タッチパッド」で、精密タッチパッド向けの追加ジェスチャー操作が利用できるようになりました。
- 1本指スクロール: タッチパッドの左端または右端から1本の指でスクロールを開始し、垂直方向にスクロールできます。
- 自動スクロール: スクロール中に指をタッチパッドの端付近に置いたままにすることで、指を離さずにスクロールを続けられます。
なお、スクロール・ズーム速度の調整や加速スクロールのジェスチャー操作は、2026年7月の更新プログラム(KB5101684)で先行してリリースされています。
Copilotキー
新機能! Copilotキーを「右Ctrl」キーまたは「コンテキストメニュー」キーとして再割り当てできる新しいWindows 11の設定が追加されました。これにより、使い慣れたキーボードショートカットやアクセシビリティ用のワークフローを維持しやすくなります。詳細は、Windowsデバイスにおける Copilot キーの更新点についてを参照してください。
カメラロール
新機能! 「設定」に「カメラロールのバックアップ」機能が追加されました。対象ユーザーは、OneDriveを使用して写真を保護できます。「設定」のホーム画面またはアカウントページから機能をオンにし、モバイル端末でQRコードを使ってセットアップを完了させます。
フォント
新機能! Ebrimaフォントに、GarayおよびBeria Erfeの2つの文字体系のサポートが追加されました。両方をサポートするマイクロソフトフォントはこれが初めてです。GarayはUnicode 16.0で、Beria ErfeはUnicode 17.0でそれぞれエンコードされました。
新機能! Ebrimaフォント内のAdlam文字のデザインも見直され、現行のUnicode規格に沿った、より一貫性のあるデザインに改善されました。
Windows回復環境(WinRE)
新機能! WinREが、Windowsにすでに保存されている対応Wi-Fiプロファイル(証明書ベースのネットワークを含む)を自動的に再利用できるようになりました。これにより、クイックマシン回復やクラウド再構築などの回復シナリオにおいて、WinRE側にあらかじめWi-Fi資格情報を設定しなくても、デバイスが自動的にオンラインになれるようになります。この機能はデフォルトで有効になっており、IT管理者側で無効化することも可能です。
新機能! MDMプロバイダー向けにWinREの管理機能を拡張するための、回復リモート管理プラグインが追加されました。詳細はRecovery Remote Management の概要を参照してください。
キオスクモード
- 制限付きUXキオスクを使用している場合、Windowsキー + Tabのキーボードショートカットが無効になりました。
- シングルアプリキオスクモードを使用している場合、Windowsキー + AおよびWindowsキー + Cのキーボードショートカットが無効になりました。
Windows バックアップ
PCからPCへの移行機能(PC-to-PC Migration)は、提供が終了しました。この機能は段階的な展開を通じて導入され、新しいWindows PCをセットアップする際に、以前使用していたPCからファイルや設定を直接転送できるようにするものでした。新しいPCへの移行時にファイル、設定、その他のサポート対象項目をバックアップ・復元するには、Windowsバックアップを使用してください。詳細はWindows バックアップによるバックアップと復元を参照してください。
電源とバッテリー
電源に接続されたノートPCが、AC電源からバッテリー電源への切り替わりを誤って検出してしまう特定のシナリオにおいて、表示とパフォーマンスが改善されました。
注記: 機能の提供可否は、お使いのデバイスや地域によって異なります。
通常の展開による修正内容
今回の非セキュリティ更新プログラムには、品質向上のための修正が含まれています。以下は、更新プログラムのインストール後に対応される主な問題と、新たに追加された機能の概要です。角括弧内の太字はその変更が属する項目・分野を示しています。
カメラ
カメラアプリやその他カメラを使用するアプリにおいて、内蔵カメラが動作しなくなる場合がある問題が修正されました。
ファイル履歴
外部ドライブやネットワークの場所へのファイルのバックアップ・復元が失敗する場合がある問題が修正されました。この問題が発生した端末では、互換性のあるバックアップドライブが正しく接続されていても、「ドライブを再接続してください」というメッセージが誤って表示されることがありました。
System Monitor(Sysmon)
- 実行可能ファイルのヘッダー検証に関する問題が修正されました。切り詰められた、または不正な形式のファイルによって、予測不能なメモリ使用や、改ざん検知の信頼性低下が発生する場合がありました。
- Sysmonのファイルシステムフィルタードライバーに関する問題が修正されました。ファイル監視中にアーカイブディレクトリのオープンに失敗した場合、未初期化のハンドルをクローズすることでストップエラーが発生する場合がありました。
- プロセスの改ざん検知に関する問題が修正されました。Windowsセッションマネージャー(smss.exe)プロセスに対して、Sysmonが誤ってイベントID 25のアラートを生成する場合がありました。
コンポーネントの更新
AIコンポーネント
今回のリリースでは、Image Search(画像検索)、Content Extraction(コンテンツ抽出)、Semantic Analysis(意味解析)、Settings Model(設定モデル)の各AIコンポーネントがバージョン1.2608.951.0に更新されます。詳細については、AIコンポーネントのリリース情報を参照してください。
サービシングスタック更新プログラム(SSU)
KB5124009(ビルド26100.9539)が含まれています。これにより、Windows更新プログラムのインストールプロセスの信頼性が向上します。
既知の問題
ドメイン参加済みデバイスがドメインとのセキュアな信頼関係を失う場合がある
症状
2026年9月8日のWindowsセキュリティ更新プログラム(KB5124008)以降の更新プログラムをインストールすると、Credential Guardで保護されている一部のマシンアカウントが、オンプレミスのActive Directory(AD)ドメインとのセキュアチャネルを失う場合があります。この場合、有効なドメイン資格情報を使用した対話型サインインができなくなり、デバイスとドメイン間の信頼関係が失敗した旨のメッセージが表示されることがあります。以前にキャッシュされた資格情報を使用したオフラインサインインは引き続き機能する場合があります。AD レプリケーションおよびドメインコントローラー上のADサービスへの影響はありません。
この問題は、KB5124008以降の更新プログラムによって「Machine Identity Isolation」機能が有効化されることが原因です。今回の更新プログラム自体がMachine Identity Isolationの強制を直接有効にするわけではありませんが、既存の設定やポリシーで設定されていたMachine Identity Isolationの強制設定をWindowsが認識するようになります。ただし、この機能はWindows Server 2025のドメイン機能レベル(DFL)以上で動作するドメインコントローラーに接続されている環境でのみサポートされており、それ以外の環境では無効にする必要があります。以前にMachine Identity Isolationを使用するよう構成されていたものの、Windows Server 2025のドメインコントローラーに接続されていないデバイスでは、この問題が発生し、機能を無効化する必要があります。
回避策
重要: このセクションには、レジストリを変更する方法についての情報が含まれます。レジストリを変更する前に、必ずバックアップを取り、問題が発生した場合の復元方法を確認しておいてください。詳細はWindowsでレジストリをバックアップおよび復元する方法を参照してください。
この問題を回避するには、Machine Identity Isolationを有効化したときと同じ管理方法を使用して無効化します。該当する方法を選択してください。
- Intuneのポリシーで有効化した場合は、Intuneを使用して無効化します。
- グループポリシーで有効化した場合は、グループポリシーを使用して無効化します。
- レジストリで直接有効化した場合は、以下の手順で無効化します。
Windows 11バージョン24H2または25H2のデバイスで、以下のレジストリパスを確認します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa\MachineIdentityIsolation
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\DeviceGuard\MachineIdentityIsolation
これらのレジストリキーのいずれかで、MachineIdentityIsolationの値が2に設定されている場合は、以下のように変更します。
MachineIdentityIsolation = 0
Machine Identity Isolationを無効化した後、デバイスを再起動してください。
その後、以下のコマンドを使用してセキュアチャネルをリセットします。
Test-ComputerSecureChannel -Repair -Credential (Get-Credential)
解決策
マイクロソフトは、機能の改善が行われるまでの間、Machine Identity Isolationの強制を一時的に防止することで、今後のWindows更新プログラムにおいてこの問題を解決する予定です。
USB Audio Class 1.0デバイスでエラーコード10または音声が出力されない問題
症状
2026年9月8日のWindowsセキュリティ更新プログラムをインストールした後、一部のUSB Audio Class 1.0デバイスが起動できなくなったり、音声を出力できなくなったりする場合があります。影響を受けるデバイスでは、以下のいずれか、または複数の症状が発生する可能性があります。
- デバイスマネージャーに「このデバイスを起動できません。(コード10)」というエラーが表示される。
- 音声が出力されない。
- 音量コントロールが反応しない、または常にゼロのままになる。
- サウンド設定が反応しない、または利用できない。
この問題は、USB Audio Class 1.0デバイスに限定されます。
解決策
マイクロソフトは現在解決策に取り組んでおり、詳しい情報が判明次第、本ドキュメントを更新する予定です。
アップデートの入手方法
この更新プログラムはオプション更新プログラムとして提供されます。以下の手順でインストールできます。
- スタート > 設定 > Windows Update > 詳細オプション > オプションの更新プログラムを開きます。
- 「利用可能なオプションの更新プログラム」欄に表示されるKB5124010のリンクから、ダウンロードとインストールを行います。
まとめ
以上、KB5124010で追加されたWindows 11 24H2/25H2向けの新機能や改善点、通常の展開による不具合修正、そして現時点で報告されている既知の問題について解説しました。
File ExplorerやWidgets、タッチパッド、Copilotキーの再割り当てなど、日常的な使い勝手に関わる改善が多く含まれる一方、ドメイン環境やUSB Audio Class 1.0デバイスを使用している場合は、既知の問題による影響がないか事前に確認しておくことをおすすめします。
特にドメイン参加済み環境で管理を行っている方は、回避策の内容もあわせて確認しておくと安心です。プレビュー更新であることを踏まえ、業務用PCなどではまず個人環境やテスト機で動作を確認してから適用することをおすすめします。

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