Microsoftは、Windows 10 バージョン22H2を実行しているPC向けに、追加のオプションパッチ(通称“C”パッチ)「KB5061087」の配信を開始しました。
今回のオプションパッチ「KB5061087」では、USB接続の多機能プリンターでスキャンが失敗する不具合、スタートメニューからジャンプリストが消える不具合、スタートメニューが起動しない不具合、バージョンが誤って22H2ではなく2009と表示される不具合、SMB共有上にあるリソースのOplockブレーク要求を承認する際にシステムが応答しなくなる不具合の修正などが行われています。
あくまでも「KB5061087」はセキュリティ修正を含まない定例外のオプションパッチであり、特に問題が発生していない場合は無理にインストールする必要はありません。必要に応じてインストール作業を行ってください。
なお、「KB5061087」の内容とセキュリティ更新を含む次回の定例月例パッチは7月9日(水)に配信予定です。
「KB5061087」のアップデート内容
「KB5061087」の更新には、セキュリティ以外の各種品質改善が含まれています。主な変更点は次のとおりです。
Windows 10 バージョン 22H2
この非セキュリティ更新プログラムには、品質の向上が含まれています。以下は、このKBをインストールした際に解決される主要な問題の概要です。
[携帯電話事業者プロファイル]
更新: 国と事業者設定アセット(COSA)プロファイルを更新しました。
[アプリプラットフォームとフレームワーク]
修正: WindowsプラットフォームにおけるCOM (Component Object Model) 機能に影響を与える問題を修正しました。これにより、リモートCOMアクティベーションがエラーコード0x8001011で失敗する問題が解決されました。
更新: Windowsに同梱されている curl ツールのバージョンをv8.13.0に更新しました。
[認証プラットフォーム]
修正: Entra ID Windows Account Manager (WAM) プラグインにおけるデバイス登録に影響を与える問題を修正しました。
[入力と構成]
修正: 未使用の言語パックとFOD (Feature on Demand) パッケージの完全な削除に影響を与える問題を修正しました。この問題は、不必要なストレージ使用とWindowsアップデートのインストール時間の増加を引き起こしていました。
[印刷と周辺機器]
修正: デュアルプロトコルインターフェースを持つUSB接続の多機能プリンターに影響を与える問題を修正しました。スキャンが失敗し、オペレーティングシステムに内蔵されているスキャン機能が使用できない問題が解決されました。
[スタートメニュー]
修正: スタートメニューからジャンプリストが消える問題を修正しました。
修正: アップデートをインストールした後、スタートメニューが起動しない問題を修正しました。
[WinSaS]
修正: 「設定」>「システム」>「バージョン情報」で、バージョンが誤って22H2ではなく2009と表示される問題を修正しました。
動作変更: 欧州経済領域 (EEA) におけるDMA (Digital Markets Act) への準拠を維持するため、新しい既定のブラウザが設定された場合、自動的にタスクバーとスタートメニューにピン留めされるようになりました。
動作変更: 既定のブラウザを設定する際に、HTTPと.pdfファイルの種類が関連付けられるようになりました。
[サービス]
修正: ForceAutoLogon構成とShift Overrideを使用しているキオスクデバイスが、サポート管理者によってロックおよびロック解除された後にブルースクリーンで応答しなくなる可能性がある問題を修正しました。
[ファイルサーバー]
修正: SMB共有上にあるリソースのOplockブレーク要求を承認する際に、システムが応答しなくなる可能性がある問題を修正しました。
以前の更新プログラムをインストールしている場合、このパッケージに含まれる新しい更新プログラムのみがデバイスにダウンロードおよびインストールされます。
「KB5061087」の既知の不具合
「KB5061087」には現時点で以下の不具合報告があります。今後も不具合情報が入り次第追記いたします。
Notoフォントに関する問題
■不具合の概要
Microsoft EdgeやGoogle ChromeなどのChromiumベースのブラウザで、96DPI(100%スケーリング)で表示した場合にCJK(中国語、日本語、韓国語)テキストがぼやけたり、不鮮明になったりするとの報告があります。2025年3月のプレビューアップデートでは、ウェブサイトやアプリが適切なフォントを指定していない場合にテキストレンダリングを改善するため、Googleとの協力によりCJK言語向けのフォールバックとしてNotoフォントが導入されました。この問題は、96DPIでのピクセル密度が限られているために発生し、CJK文字の鮮明さや配置が悪影響を受ける可能性があります。ディスプレイのスケーリングを上げることで、テキストレンダリングが向上し、鮮明さが改善されます。
■回避策
一時的な回避策として、ディスプレイのスケーリングを125%または150%に上げることで、テキストの鮮明さを改善できます。詳細については、「Windowsで画面の解像度とレイアウトを変更する」を参照してください。
■対処状況
現在、Microsoftはこの問題について調査を進めており、新しい情報が入り次第お知らせします。
Windows 10 22H2:「KB5061087」のダウンロード&インストール方法
Windows 10 22H2向けのオプションパッチ「KB5061087」のダウンロード&インストール方法は以下の通りです。
※あくまでも“オプションパッチ”のため、必要に応じてインストール作業を行ってください。
- Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手
- Microsoft Update Catalogから更新プログラムをダウンロード
Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手する場合は、以下の通り作業してください。
まずは「設定」アプリを開き「更新とセキュリティ」を開きます。
その後「Windows Update」を開き、【オプションの品質更新プログラムがあります】の項目にある「2025-06×64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2の累積更新プログラム(KB5061087)」の下部にある【ダウンロードしてインストール】をクリックします。
※表示されない場合は【更新プログラムのチェック】をクリックしてください。
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