新しいiPhoneを購入した方で以前からiPhoneを利用していて買い替えた/機種変更した場合、最初にやる事といえば古いiPhoneからデータを引き継ぐ移行作業でしょう。
iPhoneには様々なデータバックアップ方法や移行方法が用意されているので、比較的簡単に機種変更時のデータ移行が行えるのは有難いところ。
現在iPhone機種変更時にデータを移行する方法としては
- iPhone同士で直接データ転送する方法(クイックスタート)
- iCloudを介してデータ移行する方法
※iOS 15以降から一時的なiCloudの無制限データバックアップが利用可能となりました。 - iTunesを介してデータ移行/復元する方法
の3通りがあります。
概要を解説しておきますので、iPhone機種変更時の参考にどうぞ。
なお、今回の解説は事前にiCloudやPCへiPhoneのデータバックアップが完了していることを前提とした解説となります。不測の事態に備えて機種変更時は事前にバックアップを取っておくのがおすすめです。
現在使用中のiPhoneのバックアップを取っていない場合は、まずは以下の記事を読んでデータをバックアップしておきましょう。
他にも、Windowsユーザー向けに「iTunes」を使ったデータバックアップ方法からデータ移行/復元方法まで一括で解説した記事もあります。Windowsユーザーは良かったら参考にどうぞ。
新しいiPhoneを入手したら、まずは外観チェック&SIMカードを入れ替えよう!※eSimは除く
まず新しい「新しいiPhone」が届いた際に行う事は、外観に傷が無いかのチェックと、電源を入れる前に現在使用中のiPhoneからSIMカードを抜き、新しい「iPhone」に入れ替えることです。
すでにドコモショップなどで入れ替えてもらっている場合は問題ありません。なお、「iPhone 12 Pro Max」のSIMカードサイズは【Nano-SIM】となっています。現在使用中のiPhoneのSIMカードサイズが異なる場合は携帯各社で変更してもらう必要があるのでご注意を。
※iPhone 4/4Sが「Micro-SIM」カードで、それ以降のiPhoneは「Nano-SIM」カードとなっています。
※iPhone 12では「eSIM」を利用することも出来ます。
iPhone機種変更時のデータ移行方法3選
iPhone機種変更時にiPhone同士でデータ移行する方法としては、以下の3つが用意されています。
- iPhone同士で直接データ転送(クイックスタート):
手軽さでいえばこれ!ただしエラーが発生すると一からやり直し&移行処理に時間がかかるのが欠点。 - iCloudバックアップからiPhoneのデータ移行/復元を行う:
一般的にはiCloudのバックアップからデータ移行/復元を行う事が多いでしょう。ただし、一部移行されないデータもあるため、iTunesを介した移行の方が無難ではあります。
※iOS 15以降から、機種変更時にはiCloud ストレージを一時的(21日間有効)に無制限に使ってバックアップ&移行作業が出来るようになりました。 - PCのiTunesを介してiPhoneのデータ移行/復元を行う:
有線接続で安定性も高くおすすめ。写真や動画の移行も行えます。PCをお持ちならイチオシ。
個人的におすすめのiPhoneデータ移行方法は、安定性の高い有線ケーブルでデータ移行する「iTunesを介したデータ移行/復元」ですが、手軽さでいえばiPhone同士を横に並べてデータ転送する方法が便利。特にiOS 12.4以降を搭載しているiPhoneであれば直接データ転送が可能なので、かなり簡単で使いやすいデータ移行方法だと思います。
iPhone機種変更時のデータ移行作業前の事前準備
iPhone機種変更時のデータ移行作業を行う前に、いくつか事前準備をしておきましょう。
データのバックアップは取っているか?:
iPhone同士で直接データ転送する場合は不要ですが、不具合に備えて現在使用中のiPhoneのデータバックアップは取っておくと安心です。
Apple IDやパスコードは覚えているか?:
新しいiPhoneでパスコードの入力などが必要になります。覚えていない場合は事前に確認するか、再設定しておきましょう。
現在使用中のiPhoneは最新のiOSにアップデートされているか?:
iOS 11以降のiPhone同士でクイックスタートが利用可能、iOS 12.4以降でiPhone同士で直接データ転送が可能となります。事前にiPhoneを最新の状態にしてからデータ移行作業を行いましょう。
【設定>一般>ソフトウェア・アップデート】
新しいiPhoneは最新のiOSにアップデートされているか?:
こちらは意外と知らない方も多いかもしれません。購入した新しいiPhoneのiOSバージョンが古すぎると、バックアップしたデータからの復元作業は行えない場合があります。もしも以下のようなエラーが出た場合は、一旦新しいiPhoneを簡単にセットアップしてiOSのバージョンをアップデート。その後初期化して再度データ移行作業を行う必要があります。一応ご注意ください。
データ移行時間短縮や空き容量を増やすために不要でアプリやデータを削除しておこう:
データ移行作業を行う前に、出来れば事前に古いiPhone内の不要なアプリや写真や動画などのデータを削除し、整理整頓しておくことをおすすめします。これによってデータ移行時間の短縮につながるだけでなく、移行後のiPhoneの空き容量も増えるのでおすすめです。インストールしただけで使っていないアプリは、これを機にアンインストールしておきましょう。
必要に応じて新しいiPhoneの初期化を行おう
AppleのオンラインショップでiPhoneを購入した場合、届くiPhoneは初期化された状態なのでiPhoneの初期化作業は不要です。
ただし、携帯ショップなどでiPhoneを購入し、初期設定が終わった状態のiPhoneでデータ移行作業を行う場合は、一旦iPhoneをリセット(初期化)してからデータ移行作業を改めて行う事になります。
※初期化作業の前に、一旦【設定>一般>ソフトウェアアップデート】から最新のiOSにバージョンアップしておくのがおすすめ。
1.【クイックスタート】を使ってiPhone同士でデータを移行
iPhone同士でデータを直接転送し、データ移行が出来る【クイックスタート】のやり方を解説します。
まずは現在使用中の「古いiPhone」のWi-FiとBluetoothをオンにしておきましょう。Wi-Fi環境が無くても利用は可能ですが、アプリのダウンロードなどでモバイル通信量がかなり増える可能性があるのでご注意ください。
1、準備が出来たら「新しいiPhone」の電源を入れ、現在使っているiOS 12.4以降を搭載した「古いiPhone」の近くに置きます。
2、現在使用中の「古いiPhone」にクイックスタート画面が表示され、Apple ID を使って「新しいiPhone」を設定するオプションが提示されます。表示されているのが実際に使いたいApple IDであることを確認の上、「続ける」をタップします。使用中のデバイスに「続ける」オプションが表示されない場合は、Bluetoothがオンになっているか確認してください。
3、しばらくすると、「新しいiPhone」にアニメーションが表示されます。「古いiPhone」を新しい「新しいiPhone」の上で支え、アニメーションがファインダーの中央に収まるようにします。
4、その後「新しいiPhoneの設定を完了」というメッセージが表示されます。「古いiPhone」のカメラを使えない場合は「手動で認証」をタップし、画面に表示される案内にそって作業を進めてください。
5、入力画面が表示されたら「古いiPhone」のパスコードを「新しいiPhone」に入力します。
6、画面上の案内にそって、「新しいiPhone」で「Face ID」(Touch ID)を設定します。
7、「iPhoneから転送」「iCloudからダウンロード」の2つの項目が表示されます。
直接データ転送をしたい場合は「iPhoneから転送」をタップしましょう。これで「古いiPhone」から「新しいiPhone」へのデータ転送が始まります。有線で転送している場合は、転送アイコンを見ればデバイス同士が接続されているかどうかがわかります。Apple PayやSiriなど、一部の設定を「古いiPhone」から「新しいiPhone」に転送するかどうかも選択可能です。「Apple Watch」をすでに所有している場合は、「Apple Watch」のデータや設定を転送するかどうか確認する画面も表示されます。
8、iPhoneのデータの移行が終わるまで、2台のデバイスを電源につないだまま互いに近づけておいてください。転送にかかる時間は、利用している接続の形態やネットワークの状態、転送するデータ量など、様々な要因によって変わってきます。
参考サイト:クイックスタートで以前使っていた iOS デバイスから新しい iPhone、iPad、iPod touch にデータを転送する|Apple
2、iCloudバックアップからiPhoneのデータ移行/復元を行う
続いては「古いiPhone」のバックアップデータをiCloudに保存しておき、そこから「新しいiPhone」へデータ移行/復元作業を行う方法を紹介しておきます。基本的にiOS 12.4以降を搭載しているならあまり使う機会はないと思われますが、何らかの理由でiCloudにバックアップはあるけど手元に実機(古いiPhone)が無い場合などに便利かもしれません。
①データバックアップを作成したいiPhoneやiPadで「設定」>「一般」の順にタップします。
②下にスクロールして、「転送または [デバイス名] をリセット」をタップします。
③「新しい [デバイス名] の準備」の下の「開始」をタップします。
④「iCloud バックアップがオフになっています」と表示される場合は、「バックアップをオンにして転送」をタップします。
⑤iCloud ストレージが容量不足の場合は、無料で追加の iCloud ストレージを利用できるというメッセージが表示されます。「続ける」をタップします。
※このメッセージが表示されない場合は、iCloud ストレージに余力があるので iPhone や iPad を iCloud にバックアップできます。
⑥バックアップが終わるまで待ちます。
⑦後は通常通り、以下の手順で新しいiPhoneでiCloudからの復元作業を行ってください。
※一旦無制限バックアップを利用した場合、有効期間は21日間となっています。
1、「新しいiPhone」の電源を入れます。デバイスの設定がすでに済んでいる場合は、一旦バックアップから復元する前にデバイスのコンテンツをすべて消去しておく必要があります。
2、「こんにちは」画面が表示されるので「上にスワイプ」などで次に進みます。
3、言語選択画面になるので「日本語」を選択します。
4、「国または地域を選択」画面が表示されるので「日本」を選択します。
5、「クイックスタート」の画面が表示されるので、ここをスキップします。下部にある「手動で設定」をタップ。
6、「文字入力および音声入力の言語」は必要があればカスタマイズを。問題なければ「続ける」をタップしましょう。
7、「Wi-Fiネットワークを選択」では、現在使用中のWi-Fiを指定し、セットアップしておきましょう。
8、「データとプライバシー」の画面が表示されます。「続ける」をタップ。
9、「Face ID」(Touch ID)を設定します。
10、「パスコードを作成」します。絶対に忘れないように注意しましょう。
11、「App とデータ」画面が表示されるので、「iCloud バックアップから復元」をタップします。
12、「Apple ID」でiCloudにサインインします。
13、バックアップを選択します。 各バックアップの日付とサイズを見比べて、もっとも適切なものを選択しましょう。選択するとデータの転送作業が始まります。新しいバージョンのiOSが必要だというメッセージが表示される場合は、画面に表示される案内にそってアップデートしてください。
14、画面の案内に従って「Apple ID」アカウントにサインインし、アプリと購入済みコンテンツを復元します。パスワードを思い出せない場合は、「この手順をスキップ」をタップして、後でサインインすることも可能です。
15、進行状況バーが表示されるので、処理が終わるまで待ちましょう。バックアップのサイズやネットワークの速度によっては、進行状況バーが最後まで進むのに数分かかる場合があります。
すべての作業が終わればデバイスを使えるようになります。ただし、アプリ/写真/音楽などのコンテンツや、その他の情報の復元バックグラウンドで数時間または数日続きます。出来るだけWi-Fiに接続してiPhoneを使用しましょう。また、バッテリー切れにも注意してください。通常よりもデータの復元が完了するまではバッテリーの消耗が多くなります。
3、PCのiTunesを介してiPhoneのデータ移行/復元を行う
個人的にいつもiPhone機種変更時にデータ移行する際に利用しているのが、この「iTunesを使ってパソコンに保存したバックアップデータからの復元作業」となります。
iTunesを使ってiPhoneのデータを復元する場合の利点はこんな感じ。パソコンをお持ちならiTunesからの復元がおすすめです。
1、「古いiPhone」をバックアップする際に使ったMacまたはWindowsパソコンで「iTunes」を起動します。
2、「新しいiPhone」の電源を入れます。デバイスの設定がすでに済んでいる場合は、一旦バックアップから復元する前に、デバイスのコンテンツをすべて消去しておく必要があります。
3、「新しいiPhone」をUSBケーブルでコンピュータに接続します。これらのデバイスのパスコードの入力を求めるメッセージや、「このコンピュータを信頼しますか?」というメッセージが表示された場合は、画面上の案内にそって操作します。
4、「iTunes」に「新しいiPhoneへようこそ」の画面が表示されます。ここで「このバックアップから復元」を選択します。ここで複数のバックアップがある場合は、復元に使用したいバックアップが選択されているかよく確認してください。選択出来たら「続ける」をクリックします。
もしも「iTunes」にデバイスが表示されない場合の対処法については、下記の記事を参照ください。
5、「iPhoneソフトウェア使用許諾契約」が表示されるので、問題なければ【iPhoneソフトウェア使用許諾契約を読んだ上で同意します。】に✔を入れ、「続ける」をクリックします。
6、暗号化をオンにしてバックアップしている場合はパスワードの入力を求められるので入力します。
7、「iPhoneをバックアップから復元中」と表示が出て作業が始まります。しばらくiPhoneを触らず作業が終わるまで待ちましょう。
8、デバイスが再起動した後もUSBケーブルはパソコンに接続したまま、パソコンとの同期が終わるまで待ちます。同期が終わったら接続を切ることができます。
作業が完了したら「新しいiPhone」が使用可能となります。なお、iTunesバックアップから復元できない場合の対処法については、以下の記事を参照してください。
iPhoneのデータ移行/復元作業が完了した後の注意点について
無事「古いiPhone」から「新しいiPhone」へデータ移行/復元作業が完了した後も、すぐに「古いiPhone」のデータを消したり、iPhoneを売ったりせず、「新しいiPhone」が問題なく動作するのを確認するまでは手元に置いておきましょう。理由としては、「LINE」や「Suica」、ゲームアプリ、SNSなどなど、アプリのデータ移行/引き継ぎ作業が必要になる場合があるからです。
個人的にデータ移行後の「新しいiPhone」でインストール済みのアプリを全て起動し、問題なくアプリが起動すること、アプリデータの引き継ぎ作業が完了したことを確認するまでは、「古いiPhone」のデータはそのままにしておくのがおすすめです。
LINEのデータ引き継ぎは要確認!トーク履歴のバックアップ設定も再度確認を!
最近はLINEを利用している方も多いかと思いますが、初めて機種変更する場合は、一度LINE公式サイトの解説をよく読んでおくことをおすすめします。特に「トーク履歴」が引き継げないトラブルはよく相談されます。事前にしっかりバックアップ設定は確認しておきましょう。
「Suica」「PASMO」アプリのデータ引き継ぎについて
利用者の多い「Suica」や「PASMO」アプリのデータ引き継ぎ時も、事前に旧端末にてSuicaやPASMOを削除し、サーバ退避しておく必要があります。お金が絡む問題なので、「Suica」「PASMO」アプリ利用者は必ず事前に以下の公式サイトの説明を一読しておきましょう。
GoogleやMicrosoftのログインに2段階認証や認証アプリを使用している場合は要確認!
一般的に電話番号やキャリアメールを引き継ぐ機種変更なら問題ないかと思いますが、GoogleアカウントやMicrosoftアカウントに2段階認証を設定している場合は、認証作業に問題が無いか確認しておきましょう。
ただし、MicrosoftやGoogleの「Authenticator(認証)」アプリでの認証を“オン”にしている場合は若干注意が必要です。事前に以下の説明はしっかり読んでおきましょう。ちなみに、最近Microsoft/Googleの「Authenticator」アプリにはバックアップ機能が追加されたので、機種変更時のデータ移行が簡単になりました。
オンラインゲームのスマホ認証にも注意!
自分はPSO2を遊んでいますが、ログイン時に「Google認証システム(Google Authenticator)」アプリでの認証作業が必要なため、やや手間取りました。パソコンでオンラインゲームを「認証アプリ」を利用して遊んでいる方は、事前に良くご確認くださいね。
銀行やお店のポイントカード系アプリも要確認!
その他、銀行や様々なお店のポイントカード系アプリも機種変更時は特別な移行操作を要求される場合があります。必ず「新しいiPhone」で全てのアプリを起動し、きちんと銀行アプリの動作は問題ないか、お店のポイントなどがしっかり移行されているかなどを確認しておきましょう。
特に銀行系のアプリはセキュリティ関連がしっかりしている分、特別な操作が必要になる場合も多いです。十分ご注意ください。
まとめ:iPhone機種変更時のデータ移行作業自体は簡単ですが、アプリの起動確認はお忘れなく!
今回はiPhone機種変更時のデータ移行/復元作業の流れについて解説してみました。
基本的にiPhone機種変更時のデータ移行作業は年々簡単になっていると思います。特に「iOS 12.4」以降から導入された【クイックスタート/iPhone同士での直接データ転送】は非常に便利!新旧iPhoneを横に置くだけでデータ移行が行えるので、これならiPhone初心者の方でも問題なく機種変更できますよね。
ただし、機種変更後の新しいiPhoneも完全に古いiPhoneのクローンになるわけではなく、一部のアプリではデータの引き継ぎ作業が必要になる点には注意が必要です。
必ず「新しいiPhone」で全てのアプリが問題なく動作することを確認し終えるまでは、絶対に「古いiPhone」のデータ消去や、お店に売却したりすることのないように注意しましょう。
以上、参考になれば幸いです。
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