Microsoftは2026年8月27日、Windows 11 バージョン25H2およびバージョン24H2向けのプレビュー更新プログラムKB5120998をリリースしました。この更新プログラムを適用すると、Windows 11 25H2はOSビルド26200.9278に、Windows 11 24H2はOSビルド26100.9278にそれぞれ更新されます。
今回のKB5120998は新たなセキュリティ修正を含まない非セキュリティのプレビュー更新プログラム(オプション更新)であり、インストールしなくてもセキュリティ上の問題が生じるわけではありません。
タスクバーの位置を上下左右に変更できる機能や、スタートメニューのサイズ変更、Windows検索の改善、管理者保護(Administrator Protection)機能の展開開始など、UIのカスタマイズ性や操作性に関わる改善が数多く含まれています。また、2026年8月以降はWMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)ユーティリティの提供が終了する点にも注意が必要です。
通常ロールアウトでは、ナレーターのNatural VoicesやOutlook (classic) の検索機能、タッチパッドの動作改善など、既存機能に関する細かな修正が行われています。
なお、次回のWindows Update/月例セキュリティ更新プログラムの配信日は、2026年9月9日(水)予定となっています。
- お知らせ・注意事項
- 段階的ロールアウトで追加される新機能・改善点
- Taskbar(タスクバー)
- Start menu(スタートメニュー)
- Windows Search(Windows検索)
- File Explorer(エクスプローラー)
- General design(全般的なデザイン)
- Windows Share(Windows共有)
- Administrator Protection(管理者保護)
- Multiple desktops(複数の仮想デスクトップ)
- Display and Graphics(ディスプレイとグラフィックス)
- Task Manager(タスクマネージャー)
- Windows Setup(Windowsセットアップ)
- Windows Update
- App updates(アプリの更新)
- Microsoft Store
- Windows Autopilot device preparation
- Microsoft Execution Containers(MXC)
- Agentic processes(エージェントプロセス)
- Cryptography(暗号化)
- Network(ネットワーク)
- Input(入力)
- WMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)
- 通常ロールアウトで修正される問題
- コンポーネントの更新
- 既知の問題
- アップデートの入手方法
- まとめ
お知らせ・注意事項
Windows Secure Boot証明書の有効期限について
重要: ほとんどのWindowsデバイスで使用されているSecure Boot証明書は、2026年6月から順次有効期限を迎えます。Microsoftはここ数か月にわたり、コンシューマー向けおよび非管理対象のビジネスデバイスにおいてこれらの証明書を更新しています。新しい証明書をまだ受け取っていないデバイスも、引き続き正常に起動・動作し、通常のWindows更新プログラムのインストールも継続されます。更新された証明書は、今後数か月かけてWindows Update経由で配信され続けます。詳細については、Windows Secure Boot証明書の有効期限とCAの更新を参照してください。
更新プログラムの提供終了について
Windows 11 バージョン24H2のHome および Proエディションは、2026年10月13日に更新プログラムの提供終了(end of updates)を迎えます。これらのエディションを実行しているデバイスは、既知の問題に対する修正、タイムゾーンの更新、テクニカルサポート、および最新のセキュリティ脅威からの保護を含む月例のセキュリティ更新プログラムやプレビュー更新プログラムを受け取れなくなります。Enterprise および Educationエディションは、2027年10月12日までサポートが継続されます。保護と最新性を維持するため、最新バージョンのWindows 11へのアップグレードが推奨されています。
段階的ロールアウトで追加される新機能・改善点
この更新プログラムは、段階的ロールアウト(gradual rollout)と通常ロールアウト(normal rollout)という2つのリリースフェーズを通じて提供されます。段階的ロールアウトとは、機能が一度にすべてではなく時間をかけて段階的にデバイスへ届けられる展開方式であり、利用可能な機能はデバイスによって異なります。以下は、段階的ロールアウトで提供される新機能・改善点です。
Taskbar(タスクバー)
- 新機能: タスクバーの位置を上下左右に変更できるようになりました。設定 > 個人用設定 > タスク バー > タスク バーの動作 > タスク バーの位置から変更できます。検索ボックスおよび小さいタスクバーは、現時点では上下位置でのみサポートされています。
- 新機能: 小さいタスクバーのオプションが追加されました。小型デバイスでの画面スペースを最大化するため、アイコンサイズとタスクバーの高さが縮小されます。設定 > 個人用設定 > タスク バー > タスク バーの動作 > タスク バーのサイズから変更できます。
- 新機能: 「タスク バーの動作」セクションが、視認性向上のためデフォルトで展開表示されるようになりました。
- タッチ非対応PCにおける、システムトレイ領域の読み込みの信頼性が改善されました。
Start menu(スタートメニュー)
- 新機能: スタートメニューのサイズを「小」「大」から選択できるようになりました(従来の「自動(既定)」に加えて)。設定 > 個人用設定 > スタート > スタートメニューのサイズから変更できます。
- 新機能: スタートメニューおよび設定ページ(設定 > 個人用設定 > スタート)における「おすすめ」セクションの名称が「最近」に変更されました。
- 新機能: スタートメニューに名前とプロフィール画像を表示しないようにする設定が追加されました。設定 > 個人用設定 > スタート > スタートに名前とプロフィール画像を表示しないから設定できます。
- 新機能: スタートメニューの設定ページがリデザインされ、「ピン留め済み」「おすすめ」「すべて」をそれぞれ個別に表示・非表示できるトグルが追加されました。
Windows Search(Windows検索)
- 新機能: 検索ホームが簡素化され、視覚的な煩雑さを抑えて最近の検索へすばやく戻れるようになりました。
- 新機能: 検索結果がアプリ・設定・ファイル・Web結果・ストア候補のどこから来たものかをより明確に表示するようになり、クリック前に遷移先を把握しやすくなりました。
- 新機能: Webおよび Microsoft Storeの候補を検索結果に表示するかどうかを選択できる設定が追加されました。設定 > プライバシーとセキュリティ > 検索から変更できます。
- 新機能: よく使用するフォルダーが自動的にインデックスへ登録され、該当フォルダー内のファイルが検索結果に表示されるようになりました。設定 > プライバシーとセキュリティ > 検索 > 関連する場所を自動的に検出するから制御できます。
File Explorer(エクスプローラー)
- File Explorerのホーム画面の起動が高速化し、レスポンスも向上しました。
- ホームの「おすすめ」セクションがタッチスクロールに対応し、カルーセル形式でのファイル閲覧がしやすくなりました。
General design(全般的なデザイン)
- 新機能: 起動・サインイン・再起動・シャットダウン・更新プログラムのインストール時に表示される進行状況インジケーターが刷新され、より一貫性のある近代的な表示になりました。
Windows Share(Windows共有)
- 新機能: 職場または学校アカウントでサインインしているユーザーは、共有ウィンドウから直接関連アプリを検出・インストールできるようになりました。設定 > システム > 共有 > 共有画面におすすめのアプリを表示するから管理できます。
Administrator Protection(管理者保護)
- 新機能: 管理者保護(Administrator protection)機能の展開が始まりました。これは管理者に付与される常時有効な権限を保護することを目的とした機能で、必要なときだけ一時的な権限(ジャストインタイム)を用いて管理者タスクを実行できるようになります。正式なセキュリティ境界には分類されていませんが、プロファイル分離の導入により権限昇格攻撃への耐性を強化します。デフォルトでは無効になっており、Microsoft IntuneのOMA-URIまたはグループポリシーを使用して有効化できます。この機能は2025年10月(KB5067036)で事前に公開されていたものです。
Multiple desktops(複数の仮想デスクトップ)
- 仮想デスクトップ間の切り替えがよりスムーズになり、応答性が向上しました。
Display and Graphics(ディスプレイとグラフィックス)
- 設定 > システム > ディスプレイへの移動および操作時の安定性が改善されました。
- 省電力モードがオフになった後も、以前に設定した明るさが維持されるようになりました。
Task Manager(タスクマネージャー)
- タスクマネージャーにおけるアプリ履歴情報の表示の信頼性が改善されました。
Windows Setup(Windowsセットアップ)
- Windowsセットアップ時、セカンダリキーボードを選択する手順が簡素化され、不要な場合にスキップしやすくなりました。
- 「はじめに」アプリに、アプリのインストール・サイトのピン留め・テーマ選択の各ページが追加され、デバイスのパーソナライズや新機能の発見がしやすくなりました。
Windows Update
- 手動でスリープ状態にしたPCが、自動スリープを「なし」に設定していても、更新プログラムのインストール完了後に再びスリープ状態へ戻るよう、再起動の動作が改善されました。
App updates(アプリの更新)
- 新機能: 対応アプリがWindows Updateと連携して更新を調整できる機能が追加されました。スケジューリングの改善や更新プロセスの効率化が期待できます。詳細は「Windows Update Orchestration Platform(UOP)」をご確認ください。
Microsoft Store
- 新機能: 権限の昇格を必要とするパッケージ化されたWinUI 3アプリにおいて、Microsoft Storeの統合コマース基盤を通じたアプリ内購入がサポートされました。
Windows Autopilot device preparation
- 新機能: Windows Autopilotデバイス準備における「デバイス関連付け」機能が一般提供(GA)を開始しました。組織が信頼できるデバイスを事前に識別できるようになり、デバイス単位のポリシー適用や自動的な社用デバイス登録、OOBE(初回セットアップ)時の追加カスタマイズが可能になります。
Microsoft Execution Containers(MXC)
- 新機能: コーディングエージェントやモデル生成コードなど、応答性が求められるワークロード向けの軽量な境界機能「プロセス分離(Process Isolation)」が、Microsoft Execution Containers(MXC)向けに導入されました。Windows OSのコンテインメント機能を活用し、ポリシーに応じてファイル・ネットワーク・UIなどへのアクセスを制限します。
Agentic processes(エージェントプロセス)
- 新機能: エージェントプロセスへのタグ付けをサポートするプレビュー機能が追加されました。承認されたコンポーネントがプロセストークンに識別子を割り当てられるようになり、Windowsはそのマーキングを保護したうえで子プロセスへ自動的に引き継ぎます。WAM(Web Account Manager)経由で認証する際は、この識別子が認証リクエストに含まれます。プレビュー機能のため、識別子の形式は今後変更される可能性があります。
Cryptography(暗号化)
- 新機能: ポスト量子暗号アルゴリズム「ML-KEM」が、既存のハイブリッドグループに加え、TLS鍵交換の単独アルゴリズムとしても利用できるようになりました。
Network(ネットワーク)
- VPN関連のバックグラウンド処理に起因する応答停止からの耐障害性と復旧性が改善されました。
- 日本語ユーザー向けに、「netsh wlan show wlanreport」コマンドの出力が改善されました。
Input(入力)
- 日本語IMEでの入力時に発生する可能性のあるフリーズが軽減され、信頼性が向上しました。
- 音声入力における自動句読点およびランチャーの設定が、より確実に保持されるようになりました。
WMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)
- 2026年8月以降、Windows 11 バージョン24H2およびバージョン25H2から、WMIC(Windows Management Instrumentation Command-line)ユーティリティが提供されなくなります。WMICはすでに24H2・25H2の新規インストールではデフォルトで削除されており、今後は機能オプション(FoD)としても提供されません。なお、この変更はWMICユーティリティのみが対象で、WMI(Windows Management Instrumentation)自体は引き続きサポートされます。
通常ロールアウトで修正される問題
通常ロールアウト(normal rollout)とは、対象となるすべてのデバイスへ同時に広く提供される展開方式です。この非セキュリティ更新プログラムには、以下の品質向上のための修正が含まれます。
Accessibility(アクセシビリティ)
- ナレーターにおけるNatural Voicesの動作が改善され、設定ダイアログからNatural Voicesを正常にインストール・セットアップできるようになりました。
App(アプリ)
- RemoteAppアプリケーションにおける日本語テキスト入力が改善され、入力中のテキストが正しく表示されるようになりました。
Outlook
- 日本語版デバイスにおけるOutlook (classic) の検索機能が改善され、「送信済みアイテム」および「詳細な検索」において正しい「宛先」ラベルが表示され、期待どおりの検索結果が得られるようになりました。
Pointer(ポインター)
- 一部のデバイスにおけるタッチパッドの信頼性が改善され、タッチパッドのジェスチャーおよびマウスのドラッグ操作が期待どおりに反応するようになりました。
なお、以前の更新プログラムをインストール済みの場合、デバイスは本パッケージに含まれる新しい更新内容のみをダウンロードしてインストールします。
コンポーネントの更新
AIコンポーネント
今回のリリースでは、Image Search(画像検索)、Content Extraction(コンテンツ抽出)、Semantic Analysis(意味解析)、Settings Model(設定モデル)の各AIコンポーネントがバージョン1.2608.951.0に更新されます。詳細については、AIコンポーネントのリリース情報を参照してください。
サービシングスタック更新プログラム(SSU)
KB5120997(ビルド26100.9270)が含まれています。これにより、Windows更新プログラムのインストールプロセスの信頼性が向上します。
既知の問題
現時点で、Microsoftはこの更新プログラムに関する問題を認識していません。今後、不具合情報が入り次第、このページに追記していきます。
※このページを再訪問した際は、念のためにブラウザの【更新】を行ってください。ブラウザキャッシュの関係で、最新の情報が表示されない場合があります。
アップデートの入手方法
この更新プログラムはオプション更新プログラムとして提供されます。以下の手順でインストールできます。
- スタート > 設定 > Windows Update > 詳細オプション > オプションの更新プログラムを開きます。
- 「利用可能なオプションの更新プログラム」欄に表示されるKB5120998のリンクから、ダウンロードとインストールを行います。
まとめ
KB5120998は、新たなセキュリティ修正を含まない非セキュリティのプレビュー更新プログラムですが、タスクバーの位置変更やスタートメニューのサイズ変更、Windows検索の改善など、日常的な操作性に関わる新機能が数多く含まれています。また、管理者保護機能の展開開始や、2026年8月以降のWMICユーティリティ提供終了といった重要な変更も含まれています。
通常ロールアウトでは、ナレーターのNatural VoicesやOutlook (classic) の検索機能、タッチパッドの動作など、既存機能の細かな不具合修正が行われました。
現時点でMicrosoftが確認している既知の問題はありませんが、プレビュー更新であることを踏まえ、業務用PCなどではまず個人環境やテスト機で動作を確認してから適用することをおすすめします。

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