ここ数年、メインの自作PCのケースにCorsairの製品を愛用していました。静穏性も高く、使い勝手もなかなか良くて気に入っていましたが、左右開閉式のフロントパネルが壊れてしまい、かつUSBポートも接触不良になってきたので、この度買い替えを決意。
当初は同じくCorsairの製品を検討していましたが、なかなか思うような製品がなく、最終的に「Cooler Master MasterBox CM694 TG」と「Fractal Design Define R6」で悩みました。どちらも自分が最低限欲しい「USB Type-C」ポートがフロントパネルに搭載されており、機能面は一長一短。
最終的にフロントパネル部分が以前と同じ開閉式か否かで悩み、扉が壊れたトラウマから、今回は前扉のない「Cooler Master MasterBox CM694 TG」に決めました。
と言う事で、本日は「Cooler Master MasterBox CM694 TG」のレビューをご紹介しておきたいと思います。
PCケース選定の際のポイント
今回久しぶりにPCケースを買い替えるにあたって、自分が求めたポイントはこんな感じ。
■USB Type-Cポートがフロントパネルに搭載されていること
これは個人的に絶対外せない条件でした。最近のスマホやUSBメモリなど、USB-Cポート採用の製品は続々増えていますよね。iPhoneも来年はひょっとするとUSB-Cポート搭載になるかもしれません。そのためこの【USB-Cポート】の搭載は絶対条件でした。意外とまだまだ自作PCケースには未搭載のモデルも多いんですよね。
■価格は1-2万円程度
価格は絶対条件ではなかったのですが、そこそこしっかりした作りであれば問題ありません。自分はいつもこの価格帯の製品を買っているので、今回も同様の価格帯で選定しました。
■フロントにDVD/ブルーレイドライブが搭載可能であること
最近はDVDやブルーレイドライブは使わないという方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の場合は必要なことも多いので、これも必須の条件でしたね。
■HDDの搭載可能数が多いこと
これは人によるかとは思いますが、自分の場合はホームビデオや家族写真、各種データのバックアップ用途に複数のHDDを併用しています。そのため、ある程度HDDがしっかり搭載できるというのも必要な条件でした。
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」と「Fractal Design Define R6」で迷う。
以上の条件に合致し、自分好みのデザインで迷ったのが、「Cooler Master MasterBox CM694 TG」と「Fractal Design Define R6」でした。
それぞれ価格帯もほぼ同じぐらい。Amazonだと「Fractal Design Define R6」の方が売れている印象。評価は両方ともそこそこ良さそうでした。
最終的には冒頭で述べたように、フロントパネル部分が以前と同じ開閉式か否かが選択上の大きなポイントになりました。静穏性の観点からは扉タイプが良さそうですが、以前扉が壊れたトラウマから、今回は扉のない「Cooler Master MasterBox CM694 TG」に決めました。
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」の特徴
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」の特徴は以下の通り。
■カーブ状メッシュパネル
CM690シリーズの象徴的な、フロントからトップを覆うメッシュパネルは、ブランドロゴをイメージした新たな菱形パターンで構成されています。細かなメッシュにより、最上位の通気性を確保すると同時に、ホコリをフィルタリングします。
■モジュラー型ドライブケージ
1段にSSDとHDDを同時に搭載することができるトレイを2段備えた、新たなモジュラー型ドライブケージによって、シリーズの特長であったストレージ拡張性を更にアップデートしています。標準搭載された3個のドライブケージは、大型グラフィックスカードや水冷ラジエータの設置など、システム構成に合わせて取外しや移動を行うことができます。
■グラフィックスカードスタビライザー
大型グラフィックスカードの重量を支えるアーム機構により、マザーボードの歪みによるダメージを防ぎます。パーツを組込んだPCを移送する際にも、より安全に運ぶことができます。
■充実したI/Oポート
ゴム製の防塵キャップが付いたI/Oパネルには、USB 3.0 x2、USB 3.1 (Gen 2) Type-C x1、4極ヘッドセットジャックを搭載。
■冷却拡張性
水冷ラジエータ
トップ:120 / 140 / 240 / 280 / 360mm
(冷却ファンはブラケット上部への取付になる場合があります)
フロント:120 / 140 / 240mm
(ドライブケージ2個を取外す必要があります)
280 / 360mm
(ドライブケージ2個とODDケージを取外す必要があります)
リア: 120mm
■冷却拡張性
冷却ファン
トップ:120mm x 3 / 140mm x 2
フロント:120mm x 3 / 140mm x 2 (ODD非搭載時)
120mm x 2 / 140mm x 2(ODD搭載時)
リア: 120mm x 1
■対応マザーボード
Mini-ITX / Micro-ATX / ATX / E-ATX *
*E-ATX は最大 12″ x 10.7″までに対応。一部ケーブルマネジメント機構が使用できなくなります。
■圧倒的ストレージ収納力
1段のトレイの上下の面に、3.5インチHDDと2.5インチSSDを同時に収納できる2段型ドライブケージx3個に加え、マザーボードトレイ背面に2個のSSDブラケットを搭載しています。
合計でHDD x6台とSSD x8台を同時に搭載できる、圧倒的なストレージ収納力を誇ります。
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」のスペック
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」のスペックは以下の通り。
製品名/型番 | MasterBox CM694 (スチールサイドパネル仕様) / MCB-CM694-KN5N-S00 MasterBox CM694 TG (強化ガラスサイドパネル仕様) / MCB-CM694-KG5N-S00 |
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サイズ | ミドルタワー |
製品寸法(LxWxH) | スチール仕様:493mm x 220mm x 506mm (突起部を含む),482mm x 220mm x 477mm (突起部を除く) 強化ガラス仕様 : 493mm x 224mm x 506mm (突起部を含む), 482mm x 224mm x 477mm (突起部を除く) |
カラー | ブラック |
主材料 | スチール、プラスチック、強化ガラス(TGのみ)、メッシュ |
対応マザーボード | Mini ITX, Micro ATX, ATX, E-ATX |
拡張スロット | 7 |
5.25" ドライブベイ | 2 |
2.5" / 3.5" ドライブベイ (combo) | 6 (ドライブケージ x3) |
2.5" ドライブベイ | 8 (専用ブラケット x2 + combo x6) |
I/O ポート | USB 3.0 Type A x2, USB 3.1 Type-C x1, 3.5mmヘッドセットジャック(オーディオ+マイク) |
付属ケースファン - フロント | 120mm fan x 2 (1200 RPM ± 200 RPM, 3 pin コネクタ) |
付属ケースファン - リア | 120mm fan x 1 (1200 RPM ± 200 RPM, 3 pin コネクタ) |
対応ケースファン - フロント | 120mm x 3 / 140mm x 2 (ODDなし), 120mm x 2 / 140mm x 2 (ODDあり) |
対応ケースファン - トップ | 120 mm x 3, 140mm x 2 |
対応ケースファン - リア | 120mm x 1 |
対応水冷ラジエータ - フロント | 120mm*, 140mm*, 240mm*, 280mm**, 360mm** (*ドライブケージ2個を取外した場合) (**ドライブケージ2個とODDケージを取外した場合) |
対応水冷ラジエータ - トップ | 120mm, 140mm, 240mm, 280mm, 360mm, (冷却ファンはブラケット上部への取付になる場合があります) |
対応水冷ラジエータ - リア | 120mm |
クリアランス - CPUクーラー | 171mm |
クリアランス - グラフィックスカード | 410mm (スタビライザーなし), 350mm (スタビライザーあり), 280mm (スタビライザー + ドライブケージありの場合) |
クリアランス - 電源ユニット | 276mm(ドライブケージがリアポジションの場合160mmまで) |
電源ユニット | ボトムマウント、標準ATX規格対応 |
ダストフィルター | トップ, フロント, ボトム |
配線スペース | 27~29mm |
EAN Code | 4719512087305 (スチール), 4719512087299 (TG) |
UPC Code | 884102059759 (スチール), 884102059742 (TG) |
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」外観レビュー
それではここから、「Cooler Master MasterBox CM694 TG」の外観レビューをご紹介していきます。
今回購入した「Cooler Master MasterBox CM694 TG」の左サイドは強化ガラスになっています。内部にLEDで色調が変化するギミックがあるなら、非常に映えるでしょう。やや安価なスチールモデルもあります。
ちょっと残念なのが、サイドパネルの固定がネジ式な点。
そんなに頻繁に開けることはないので大きな欠点というほどではありませんが、Corsairの以前使っていたPCケースはこのようにプッシュ式で便利だったので、ちょっと残念でした。
底面はこんな構造。
四面の脚にはゴムが配置されています。滑り止めと静穏効果もあるのかな。
そしてこのようにホコリ対策のフィルターもあります。
引っ張れば簡単に取り外せるので、メンテナンスも楽ですね。
正面部分。アルミ仕上げが非常に綺麗で気に入っています。フロントに防塵フィルターはありませんが、微細なメッシュパネルにホコリが付着し、ある程度PCケース内への侵入は防いでくれます。これが意外に目に見える(白くなる)ので、昔に比べてマメに掃除をするようになったのは思わぬ恩恵でしたね。
上部はこのようになっています。静穏性という観点からはやや微妙ですが、エアフローは良好ですね。ホコリは溜まりやすいかも?デフォルトでは上部にファンは非搭載です。後日追加する予定。
フロントのI/OパネルにはUSB 3.0 x2、USB 3.1 (Gen 2) Type-C x1、4極ヘッドセットジャックが搭載。個人的にUSB-Cは必須だったので、これは購入の大きな決め手になりました。USB 3.1 (Gen 2) というのも嬉しいですね。さらにゴム製の防塵キャップも付いていて、これも個人的にはお気に入りです。
防塵キャップを外すとこんな感じ。小さいなキャップなので、外した際は置き場所を考えないと無くしそう。
右サイド。
斜め後方から見るとこんな感じ。
背面です。一般的なPCケースの構造ですね。
内部はこんな感じの作りになっています。電源部分には化粧カバーが付属。
HDD x6台とSSD x8台搭載できるのも良いですね。これだけ搭載できれば様々な利用状況に対応できるでしょう。
そしてちょっと面白いなと思ったのが、この「グラフィックスカードスタビライザー」という構造。
これは大型グラフィックスカードの重量をアーム機構によって支えることで、マザーボードの歪みによるダメージを防いでくれるというもの。パーツを組込んだPCを移送する際にも、より安全に運ぶことができます。
「グラフィックスカードスタビライザー」のアップ。
実際にグラボを「グラフィックスカードスタビライザー」で固定してみたところ。あまり気にしていなかったけど、ちょっと安心感が増しますね。
続いて背面を内側から撮影。
右サイドの内部はこんな感じ。
裏側への配線も簡単でした。
SSDはこのように固定。
マザーボードが入るとこのような状態になります。
HDD/SSDのトレイの取り外しもスライド式で簡単に行えます。
HDDの取り付け。
トレイを広げて、、、
カチッと装着すればOKです。簡単ですね。
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」のフロントパネル取り外しはちょっと勇気がいりました。基本的にはネジでは固定されておらず、ツメで固定されているだけなので、上側を支点にして下部をエイッと手前に引っ張れば外れました。そうそう取り外すことはないとは思いますが、もう少しここの構造は見直してもらえると嬉しいかな。
※コメントにて、以下の情報を提供いただきました。ぜひ皆さんもお試しください。
サイドパネルさえ外してしまえば、左右3カ所にある爪をそれぞれ左右に開きながらフロントカバーを手前に引くことで外すことができます。爪が折れそうになるようなことはありませんでした。
「Cooler Master MasterBox CM694 TG」レビューまとめ!満足度は高いです!
と言う事で、色々悩んだ挙句購入した「Cooler Master MasterBox CM694 TG」ですが、個人的にはなかなか気に入っています。ざっくりポイントをまとめるとこんな感じ。
■フロントにUSB 3.1 Gen 2 Type-Cポート搭載で、スマホやUSBメモリ、USB-Cハブなどが手軽に使えて便利
■フロントパネルの網目状の部分に目に見めてホコリが溜まるので掃除のタイミングがつかみやすい
■空冷&ファンはデフォルト配置ですが、エアフローも良く、CPUやHDDの温度も安定していて満足。
■I/Oポートにゴム製の防塵キャップが付いており、端子部分が綺麗に保てそう。
■光学ドライブを使用する際に前扉がないので使いやすくなった。
■HDDやSSDの搭載量が多く満足度高し。
■HDDやSSDの脱着が簡単
■配線の取り回しが楽。
■グラフィックスカードスタビライザーが意外としっかり固定されて良さげ。
■外観は美しく丁寧な仕上がり。高級感もあってなかなか良い出来栄え。
■サイドパネルの取り外しがネジ式
■フロントパネルの取り外しがちょっと硬くてびびる。
■エアフローは良いが、ちょっとファンの音が気になる。(うるさいというほどではないが静穏とまでは言えない感じ)
以前のCorsair製PCケースに比べるとやや静穏性が落ちるのと、サイドパネルがネジ式(Corsairはプッシュボタン式)なのがやや残念ですが、それ以外は概ね満足しています。フロントパネルの取り外しがちょっと硬くてびびりますが、そもそも頻繁に取り外しすることは少ないと思うのでそこまで気にはしていません。
音に関して気になるとは言っても、静かな環境でややファンの音が気になる程度ですし、そもそもエアフローは良好なので冷却性能には満足しています。HDDやSSDの脱着も容易でメンテナンス性は問題なし。グラボを固定して支えてくれる“グラフィックスカードスタビライザー”という機能があるのは買うまで知らなかったのですが、実際に使ってみると思いのほかしっかり支えてくれていい感じですね。
フロントのI/Oポートにはゴム製の防塵キャップが装着されており、ホコリの侵入を防いでくれるのは個人的には嬉しいポイント。長く使うとUSBポートにはホコリが溜まりやすいので、これはありがたいですね。ただし、使用の際にキャップを外すと無くしそうになるのは気を付けないといけませんが。
とりあえず現状使っていても、USBポートなど問題なく動作していますし、外観にそこそこ高級感もあり、個人的には満足しています。PCケースに求めるものは人それぞれだとは思いますが、個人的にはこの「Cooler Master MasterBox CM694 TG」、なかなかおすすめのミドルPCケースだと思いますよ。
今回自分が購入したのはサイドパネルに強化ガラスが採用されたモデルですが、やや安価なスチールタイプもあります。お好みでどうぞ。
コメント
レビューを参考にこのケースを購入しました。これからの季節でも排熱は心配なさそうです。不足ならトップにファンを追加できますし。
ところで、フロントカバーですが、サイドパネルさえ外してしまえば、左右3カ所にある爪をそれぞれ左右に開きながらフロントカバーを手前に引くことで外すことができます。爪が折れそうになるようなことはありませんでした。次に開ける機会がありましたらお試しください。
有意義な情報ありがとうございます!
あまり具体的な操作方法がネット上に無く、試行錯誤して使っておりましたので、本当にありがたいです!
早速記事中にも追記させていただきますね!