Microsoftは、Windows 11 バージョン24H2を実行しているPC向けに、追加のオプションパッチ(通称“C”パッチ)「KB5046740」の配信を開始しました。
今回のオプションパッチ「KB5046740」では、新機能として、システムトレイに短縮版の日付と時刻が表示、タッチスクリーンのエッジ ジェスチャ用の新しいセクションが追加、ファイル エクスプローラーとデスクトップのコンテキスト メニューからAndroidデバイスにコンテンツを共有可能になるなど、多数の新機能が追加されています。
また、ウィンドウが全画面表示になっているときに一部のセカンダリ ディスプレイで遅延や画面のティアリングが発生する問題、クリップボード履歴にコンテンツが表示されない問題、複数のモニターを備えたシステムでデバイスがスリープ状態になった後にアプリ ウィンドウがディスプレイの隅に移動する問題、DISMやPowerShellコマンドの不具合、Windows Updateで更新プログラムのインストール時にエラー0x800f0905が発生する問題、WSLが動作しなくなり起動できない問題など、多数の不具合修正も行われています。
なお、「KB5046740」はセキュリティ修正を含まない定例外のオプションパッチであり、特に問題が発生していない場合は無理にインストールする必要はありません。必要に応じてインストール作業を行ってください。
「KB5046740」の内容と共にキュリティ更新を含む次回の月例パッチは12月11日(水)に配信予定です。
「KB5046740」のアップデート内容
以下は、この「KB5046740」をインストールしたときに、この更新プログラムで解決される主な問題の概要です。新しい機能がある場合は、それもリストしています。
段階的なロールアウト
これらの機能は段階的に展開されるため、すべてのユーザーがすぐには利用できない場合があります。
[設定]
・New! 「パーソナライズドオファー」に「カスタマイズされたエクスペリエンス」が追加されました。この機能は、初期設定画面(OOBE)で表示され、[設定] > [プライバシーとセキュリティ] > [診断とフィードバック]ページで見つけることができます。
ここで、Windowsを改善するためにデバイスのデータを送信する設定をオフにすることができます。
[タスクバー]
・New!
■システムトレイに短縮版の日付と時刻が表示されます。
■「応答不可」が有効の場合、通知ベルのアイコンが表示されないことがあります。その場合は、日付と時刻をクリックして通知センターでメッセージを確認してください。
■元の形式で日付と時刻を表示したい場合は、[設定] > [日付と時刻] で「システムトレイに日付と曜日を表示する」をオンにしてください。
■通知ベルのアイコンを表示するには、[設定] > [システム] > [通知] に移動し、「通知」をオンにします。また、システムトレイの時計またはベルアイコンを右クリックしてコンテキストメニューからこれらの設定にアクセスすることも可能です。
・修正: 「タスクバーを自動的に隠す」を選択すると、検索ボックスが検索ボックスではなくアイコンとして表示される不具合を修正。
[スタート メニュー]
・New! スタート メニューにピン留めしたアプリを右クリックすると、ジャンプリストがあるアプリのジャンプ リストが表示されます。
[タッチスクリーン]
・New! このアップデートでは、タッチスクリーンのエッジ ジェスチャ用の新しいセクションが追加されました。[設定] > [Bluetooth とデバイス] > [タッチ]に移動します。ここで、画面の左端または右端のタッチ ジェスチャをオフにするかどうかを選択できます。
[入力方式エディター (IME)]
・New! この更新プログラムをインストール後、IMEツールバーはアプリが全画面表示の際に非表示になります。これはIMEツールバーがアクティブで、中国語または日本語の文字を入力している場合のみ適用されます。
[ファイルエクスプローラー]
・New! ファイル エクスプローラーとデスクトップのコンテキスト メニューから、Androidデバイスにコンテンツを共有できます。この機能を使用するには、PCに「スマートフォン連携(Phone Link)」をインストールして構成する必要があります。
・修正: 左ペインに表示される項目間の間隔が予想以上に広くなる場合がある問題を修正しました。
・修正: ファイルエクスプローラーのウィンドウが小さいと検索ボックスが切れてしまう問題を修正しました。
[動的ライティング設定ページ]
・New! 互換性のあるデバイスがコンピューターに接続されていない場合、このページにプレースホルダー メッセージが表示されます。また、明るさと効果のコントロールはオフになります。
・New! このアップデートでは、波効果に前方、後方、外向き、内向きの方向オプションが追加されました。グラデーション効果に前方方向オプションが追加されました。
[ジャンプ リスト]
・New! ShiftキーとCtrlキーを押しながらジャンプリストのアイテムをクリックすると、そのアイテムが管理者権限で開きます。
[Windows の音声]
・New! 音声認識(音声入力)と音声読み上げの機能が改善されました。一部のユーザーは、言語ファイルを手動で更新するよう通知を受け取る場合があります。これらのファイルはMicrosoft Storeからダウンロード可能です。この変更は、ナレーター、音声アクセス、ライブキャプション、ライブ翻訳、音声入力を使用しているユーザーに影響します。
[表示]
・修正: デバイスがスリープモードになった後、アプリウィンドウがモニターの隅に集まることがある問題を修正しました(複数モニター使用時)。
・修正: スライドショー背景を使用していると、Micaマテリアルが正しく表示されない問題を修正しました。
・修正: 一部のサブディスプレイで、ウィンドウが全画面表示になると遅延や画面のティアリングが発生する問題を修正しました。
[マウス]
・修正: 「Ctrlキーを押すとポインターの位置を表示する」機能を使用する場合、一部のディスプレイで円が小さく表示される問題を修正しました。
[クリップボード]
・修正: クリップボード履歴(Windowsキー + V)が内容を表示しない場合がある問題を修正しました。この問題は、機能がオンでテキストや画像をコピーしても発生することがあります。
[タスクマネージャー]
・New! 切断およびログオフのダイアログがダークモードに対応し、テキストの拡大縮小もサポートするようになりました。
・New! 「パフォーマンス」セクションで、各ディスクの種類が表示されるようになりました。
[IFilters]
・New! Windows SearchがIFiltersを「制限付きアプリコンテナ (LPAC)」で実行するようになりました。LPACはアプリコンテナに似ていますが、デフォルトでより多くの権限を制限します。LPAC内で実行されるプロセスは必要なリソースのみにアクセスでき、機密性の高いシステムコンポーネントやデータにはアクセスできません。これにより、プロセスが侵害された場合の潜在的な被害を軽減できます。
[DISM]
・修正: DISMコマンドにおいて、StartComponentCleanupタスクが正常に動作しない問題を修正しました。この問題では進行が71%で停止し、エラー6842が表示されていました。
[PowerShell]
・修正: Get-WindowsCapabilityコマンドが失敗する場合がある問題を修正しました。この問題が発生した際、PCを再起動する必要がありました。
[Windows Update]
・修正: 更新プログラムのインストール時に、エラー0x800f0905が発生する問題を修正しました。
[JPGファイル]
・修正: APIを使用して画像の回転情報を取得できない問題を修正しました。
通常の展開
以下は更新適用後、すぐに利用可能になります。
[マウスとゲーム バー]
・修正: 複数モニターを使用している場合に、ゲームバーを開閉するとマウスがゲームウィンドウから外れる問題を修正しました。
[HTMLアプリケーション (HTA)]
・修正: HTAオプションコンポーネント(OC)がARM64 Windows PEで利用可能になりました。
[タスク マネージャー]
・修正: 「ユーザー」ページをキーボード操作で使用すると、タスクマネージャーが応答しなくなる問題を修正しました。
[グラフィックス デバイス インターフェイス プラス (GDI+)]
・修正: GDI+を使用して画像ファイルのプロパティを取得できない問題を修正しました。
・修正: GDI+を使用して画像を再エンコードすと、スケーリングがおかしくなる問題を修正しました。
[ RAW形式の画像]
・修正: RAW形式の画像が正しい向きで表示されない問題を修正しました。
[チャート オブジェクトのエクスポート]
・修正: アプリがPDFおよびXLSX形式でチャートオブジェクトをエクスポートすると、応答しなくなる問題を修正しました。
[Windows Subsystem for Linux (WSL)]
・修正:WSLが動作しなくなり、起動できない問題を修正しました。
以前のアップデートをインストールした場合、このパッケージに含まれる新しいアップデートのみがダウンロードされ、デバイスにインストールされます。
「KB5046740」の既知の不具合
「KB5046740」では、現状既知の不具合情報は入っておりません。今後も、不具合情報が入り次第追記いたします。
ArmデバイスユーザーはMicrosoft Store経由でRobloxをダウンロードしてプレイできない
■不具合の概要
Armデバイスのプレイヤーが、Microsoft Store経由でWindows上でRobloxをダウンロードおよびプレイできない問題が発生していることが認識されています。
■対処方法
Armデバイスのプレイヤーは、Robloxを直接www.Roblox.comからダウンロードすることでプレイできます。
互換性問題などは多数発生中
上記の不具合以外にも、互換性に関する問題などは多数発生しています。
互換性問題が発生しているPCには、基本的にセーフガードホールドが発動し、Windows Update経由での24H2へのアップデート配信が停止されています。現在Windows 11 23H2などを利用中のユーザーは、できるだけWindows Update経由で24H2の配信が開始されるまでは、手動でのアップデートは避けるのが望ましいでしょう。
Windows 11 24H2:「KB5046740」のダウンロード&インストール方法
Windows 11 24H2向けのオプションパッチ「KB5046740」のダウンロード&インストール方法は以下の通りです。
※あくまでも“オプションパッチ”のため、必要に応じてインストール作業を行ってください。
- Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手
- Microsoft Update Catalogから更新プログラムをダウンロード
Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手する場合は、以下の通り作業してください。
まずは「設定」アプリを開き、最下段の「Windows Update」を開きます。
表示されている「2024-11 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 24H2の累積更新プログラム (KB5046740)が利用可能です。」の下にある【ダウンロードとインストール】をクリックします。表示されない場合は【更新プログラムのチェック】をクリックしてください。
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