iPhoneには様々な無料/有料の名刺管理/スキャナアプリがありますが、皆さんはどのアプリを使っていますか?
iPhone黎明期には「CamCard」が人気でしたが、最近は新進気鋭の「Eight」や「Wantedly People」といった、日本語環境でも使いやすい名刺管理アプリが登場しています。さらに最近のアップデートで、Microsoftの無料カメラアプリ(無音カメラアプリとしても有用)「Microsoft Pix」が名刺撮影にも対応しました。
そこで本日は、「Eight」「Wantedly People」「Microsoft Pix」の3種に絞って、それぞれの名刺スキャン性能や正確さ、特徴や欠点などをまとめてみたいと思います。
無料名刺管理アプリ「Eight」の特徴と欠点
まずはiPhoneで使える無料名刺管理アプリの定番「Eight」から。この「Eight」の特徴は、名刺をスキャンするとそれが「Eight」のデータセンター?に送信され、手動でデータが入力される点にあるでしょう。そのため多少名刺スキャン後にデータ化されるまで時間がかかりますが、手動入力な分、データ入力の正確性が高いのが最大の利点です。
また、同じ「Eight」ユーザー同士なら、自分と関連すると思われるユーザーが自動的に提案されるのも便利です。
欠点としては、手動での入力によるデータ反映の遅延、そしてオンラインに名刺をアップすることによる個人情報拡散への懸念でしょうか。ただし仕事の名刺ならそこまで個人情報の保護を懸念する必要もないかと思われますし、実際に100万人以上が利用しているようなので、むしろ名刺の繋がりを利点として考えられる人へおすすめかと思います。
Eight – 100万人が使う名刺アプリ
カテゴリ: ビジネス, ユーティリティ
無料 ※価格は記事掲載時のものです。
「Eight」の特徴
- 名刺を撮影してデータを送信すれば、自動的に手動で入力(一部は自動)してくれる。
- 名刺データの反映がかなり正確。(現在まで管理人の利用状況ではほぼ入力間違い無し。)
- 登録された名刺はリストで確認可能。「ラベル」を利用してのグルーピングにも対応。
- 「Eight」でつながった相手が昇進、転職して名刺が変更になると自動的に通知が届く。情報が常に最新に自動更新。
- 「メッセージ」で相手と連絡が取れる。(Eightユーザーの場合)
- パソコンからも利用可能。
- プロフィールをオンライン上に公開可能。
- オンライン上での名刺交換が可能
「Eight」(無料版)の欠点
無料版だといくつか機能制限あります。以下の機能は「プレミアム版」のみとなります。
1.電話帳との連携
2.名刺のデータ化をスピードアップ
3.名刺の全項目をデータ化
4.名刺データのダウンロード
5.PC用 Eight scan β版の利用
そのため、「Eight」の無料版だと、以下のような欠点が発生します。
- 電話帳との連携不可
- 名刺のデータ化がやや遅い。(気になるほどではありませんが。)
- 混雑状況によっては住所等、一部の名刺データは入力されない。手動でなら追加入力可能。
- 名刺データのダウンロード(CSV)は不可。
その他欠点としては以下のポイントが挙げられます。
- 撮影は名刺を一枚ずつ行う必要あり。(連続しての撮影には対応)
- 手書きで名刺に書いてあるメモ(携帯番号)の入力には非対応(手動入力という事で期待していましたがさすがに無理でした。)
- 機能が増えたのは良いが、純粋な名刺管理アプリとしてはややUIが煩雑な感じ。
無料名刺管理アプリ「Wantedly People」の特徴と欠点
続いては「Eight」と同様、無料の名刺管理アプリ「Wantedly People」について。こちらは現状利用料金は無料で、特に利用制限などもありません。スキャンした名刺データは、人工知能(AI)によって瞬時にデータベース化されます。実際に使ってみたところ精度もなかなか高いです。そして一気に最大10枚※1までの名刺を一括スキャンできるのも素晴らしい。
PC版も用意されており、ここから名刺データをCSV形式で無料ダウンロードできるのも便利。年賀状作成などの際には便利でしょう。
ただし、こちらもマネタイズの関係上、個人情報はある程度活用される様子。無料なのでしょうがないですが、その辺りは注意が必要ですね。
※1 最大10枚とありますが、App Storeでの説明では7枚となっていました。
Wantedly People名刺管理&連絡先アプリ
カテゴリ: ビジネス
無料 ※価格は記事掲載時のものです。
「Wantedly People」の特徴
- 基本無料で使い放題。
- スマートフォンのカメラで最大10枚の名刺を一括スキャンし即データ化。
- 人工知能によるデータ化は意外と正確。
- スキャンした名刺データのユーザーが「Wantedly」上にプロフィールを登録している場合、そのプロフィール情報を連絡先の情報と同期。
- オンラインでログインすれば名刺データをCSV形式でダウンロード可能。
- CSV形式のデータなら、他社のデータもインポート可能。(参考:データのインポート/エクスポートについて|Wantedly)
- UIがシンプルで名刺管理メインなら使いやすい。
- オンライン上での名刺交換が可能。
- スマートフォンの連絡先と連携することで、名刺交換相手からの着信時に発信者の名前が表示される。(要設定)
- ScanSnap(iX100、iX500)と連携しているため、溜まっている名刺も一気にスキャン可能。ScanSnapなら300枚を2分で行える。
- つながった相手がWantedly Chatを使っている場合、チャットで相手にコンタクトを取ることが可能。(別アプリをインストールする必要あり。)
- 人工知能(AI)を駆使して名刺交換相手に関連したニュースをピックアップし、表示してくれる。相手との会話のネタになるかも?
「Wantedly People」の欠点
- 手動入力ではないので、多少のデータ誤りはあり。
- 無料ではあるが、個人情報が活用される可能性があるのは承知しておく必要がある。
「Microsoft Pix」の特徴と欠点~iPhoneでの名刺スキャン&連絡先への追加方法/使い方解説~
「Microsoft Pix」は無料名刺アプリというよりは、無料の万能カメラアプリです。元々AI搭載で自動的に最適な写真を選択して提示してくれるのがウリで、その後設定変更により、iPhoneでも撮影時のシャッター音をオフにして無音カメラアプリとして利用可能という事が判明。これによって一部では根強い人気を誇っています。管理人もリリース当初から使用しています。子供の寝顔とか撮影する際に便利ですね。
さて、そんな「Microsoft Pix」がこの度アップデートされ、名刺スキャン機能が新たに搭載されました。名刺を「Microsoft Pix」で撮影すれば、自動的に名前や連絡先情報などを自動で認識し、iPhone の「連絡先」アプリや LinkedIn アカウントにもコンタクト情報を簡単に追加できるようになっています。「Microsoft Pix」での名刺スキャンに特別な操作は不要で、アプリを起動して名刺を写せば、自動的に認識して必要なアクションを提示してくれます。
ただし、先ほどから紹介している「Eight」や「Wantedly People」に比べると名刺のデータ認識率は低め。この辺りは利用状況(個人情報の観点など)からアプリを取捨選択する必要があるでしょう。
ちなみに、iPhoneで「Microsoft Pix」を使って名刺スキャン&連絡先へ追加する方法/使い方は以下の流れとなります。
まずは名刺を適当な場所において「Microsoft Pix」アプリを起動します。すると自動的に名刺を認識し、左下隅に「連絡先に追加」と表示が出るのでこれをタップ。※画像は英語バージョンのものです。
するとこのような画面になるので、【連絡先を追加】をタップ。これでiPhoneの「連絡先」に認識したデータが追加されます。
また、【LinkedInで見つける】をタップして、「LinkedIn」とデータを連携させることも可能です。
Microsoft Pix カメラ
カテゴリ: 写真/ビデオ
iPhone/iPadの両方に対応
無料 ※価格は記事掲載時のものです。
「Microsoft Pix」の特徴
- 完全無料で名刺データをスキャン可能。
- 名刺を撮影してデータ化するだけなので、基本的に個人情報の流出や流用の恐れもなし。
- Microsoft製アプリなのでアップデートや不具合修正も迅速。マルウェア混入の恐れもなし。
- 名刺撮影だけでなく、純粋なカメラアプリとしても有用。AIを使った画像認識技術も便利。無音カメラアプリとしても活用できます。
- iPhoneの「連絡先」に直接データを保存可能。
「Microsoft Pix」の欠点
- 名刺のデータ認識率はまだ低め。
- 一度に一枚しか撮影できない。
- 「連絡先」へデータ保存可能だが、ビジネス用で連絡先を切り分けたい場合にはかえって不便かも。
おまけ:iPhoneの無音カメラプリとしての使い方/設定方法
iPhoneで「Microsoft Pix」を無音カメラプリとして使う際の設定方法は以下の通り。
「設定」アプリ>Microsoft Pix>MICROSOFT PIX設定/シャッター音:オフ
iPhoneの名刺管理アプリ「Eight」「Wantedly People」「Microsoft Pix」の比較まとめ!おすすめはこれ!
という事で、今回は「Microsoft Pix」が名刺スキャンに対応したとの情報から、改めてiPhoneの無料名刺管理アプリを比較、検討してみました。
管理人が初めて名刺管理アプリとして使っていたのは「EVERNOTE」。タグで企業名などを管理して使用していました。その後は「Eight」に移行。だんだん機能がゴチャゴチャしてきて面倒だなと思っていたところに「Wantedly People」が登場し、現在は「Wantedly People」をメインの名刺管理アプリとして使用しています。
まず「Eight」についてですが、基本的な名刺管理アプリとしてなら無料版でも問題ありません。無料でも送信した名刺データを手動で修正してくれるので、データの正確性は一番ですね。ただし、無料版だといくつか制約もあるので、より突っ込んだ使い方をしたい場合にはやや不利かもしれません。特に名刺データのダウンロードが有料なのはちょっと残念。また、ニュースや人との繋がりなどの機能が充実してきた分、それらが不要な方には煩雑な印象を受けるかも。自分は純粋な「名刺」管理機能が欲しかったので、最近はあまり使わなくなりました。
次に「Wantedly People」。こちらは現状UIが名刺管理にほぼ特化しており、シンプルで使いやすいです。名刺データの認識率も高めで、多少修正が必要になることはありますが、無料でこれだけの性能があれば個人的には十分満足できるレベル。一度に複数枚の名刺を一括でスキャンできるのには感動すら覚えます。
また、「Wantedly People」はPCのブラウザからログインすれば、名刺データを閲覧できるのは当然のこと、名刺データをCSV形式でダウンロードできるのはありがたい仕様です。年賀状作成や連絡先管理の際などには役立つかも。何気にScanSnap(iX100、iX500)と連携できるのは便利です。
なお、一部では個人情報保護の観点から「Wantedly People」への批判もあるようですが、所詮ビジネス用の名刺と割り切っているなら、自分は問題ないかなと思っています。
最後に「Microsoft Pix」、こちらは基本カメラアプリで、おまけの機能として名刺スキャン機能が搭載された感じ。そのためいくつかの名刺を試してみましたが、名刺データの認識率は低めでした。特に撮影する角度によってデータの認識が変わるのはちょっと面倒。もう少し精度が上がれば言う事ないんですけどね。
ただし、「Microsoft Pix」はシンプルに名刺をスキャンしてデータ化し、それを「連絡先」に追加するだけなので、個人情報が勝手に利用されるなどの心配はありません。もしも「Eight」や「Wantedly People」は便利だけど、勝手に他人とデータが繋がるのは嫌だなあ。とか、不正ログインなどでデータが流出するのが怖い。などの不安がある場合は、「Microsoft Pix」での名刺スキャンがおすすめです。
という事で、iPhoneで使える無料名刺管理アプリとして「Eight」「Wantedly People」「Microsoft Pix」の3つを比較してみました。それぞれ一長一短あるので、ご自身の環境に応じて取捨選択すると良いでしょう。もしくは3つとも導入しておき、相手によって使い分けると便利です。個人的にはシンプルなUIで名刺のスキャン精度も高い「Wantedly People」をメインの名刺管理アプリとして使用しています。
そして一つなるほどと思った事が一点あります。ネットで情報を収集していた際に目についたのですが、個人的な連絡には「LINE」などを使い、ビジネス用途での連絡には「Wantedly Chat」を使っている。というもの。これならプライベートとビジネスの区別が付けやすいですし、「Wantedly Chat」の方がビジネス用途に特化しているので資料の添付なども出来て便利そう。気になる人はぜひ「Wantedly People」の使用と併せて検討してみてくださいね。
Wantedly Chat 無料のビジネス用グループチャットアプリ(旧Sync)
カテゴリ: ビジネス, 仕事効率化
無料 ※価格は記事掲載時のものです。
以上、皆さんもぜひご自身にあった名刺管理アプリを見つけて、より一層便利にiPhoneを使いこなしましょう!個人的には学生さんも含め、名刺管理アプリの導入は必須だと思いますよ(=゚ω゚)ノ
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