Microsoftは、Windows 11 バージョン22H2/23H2を実行しているPC向けに、追加のオプションパッチ(通称“C”パッチ)「KB5041587」の配信を開始しました。
今回のオプションパッチ「KB5041587」では、新機能として、WindowsシェアからコンテンツをAndroidデバイスに共有できるようになりました。スキャンモードの応答もより迅速になっています。
また、不具合も多数修正されており、休止状態からPCを再開すると応答しなくなる不具合、特定のBluetoothポリシーを適用すると外部デバイスとの接続が途切れる不具合、Ctrl+Fを押しても検索が始まらない不具合など、多数の不具合が修正されています。
なお、「KB5041587」はセキュリティ修正を含まない定例外のオプションパッチであり、特に問題が発生していない場合は無理にインストールする必要はありません。必要に応じてインストール作業を行ってください。
「KB5041587」の内容と共にキュリティ更新を含む次回の月例パッチは9月11日(水)に配信予定です。
「KB5041587」のアップデート内容
以下は、この「KB5041587」をインストールしたときに、この更新プログラムで解決される主な問題の概要です。新しい機能がある場合は、それもリストされます。
段階的なロールアウト
これらの機能は段階的に展開されるため、すべてのユーザーがすぐには利用できない場合があります。
- [Windows シェア] 新機能! Windows シェア ウィンドウからコンテンツを Android デバイスに共有できるようになりました。これを行うには、Android デバイスを Windows PC とペアリングする必要があります。Android デバイスで「リンク to Windows」アプリを、PC で「Phone Link」を使用してください。
- [ナレーター] このアップデートにより、スキャンモードの応答がより迅速になります。特に、Microsoft Edge を使用して大きなドキュメントを読むときに役立ちます。スキャンモードを使用するには、まずナレーターをオンにします(Windows ロゴキー + Ctrl + Enter)。次に、ナレーターセッション中に Caps Lock + Space を押してスキャンモードをオンにします。
- [ボイスアクセス] スペルを指定する際に、より速い速度で文字を音声入力できるようになりました。また、テキストの選択、削除、移動に関するコマンドの編集オプションが増えました。
- [ファイルエクスプローラー]
・Windows ロゴキー + E を押すと、画面リーダーに「ペインにフォーカスがある」と表示されることがありますが、実際にはフォーカスが設定されていないことがあります。
・Ctrl + F を押すと、検索が始まらないことがあります。
・Shift + Tab を押すと、キーボードのフォーカスが失われることがあります。
・開くまたは保存するダイアログのパンくずリスト内のアイテムを開いたり、ブラウズしたりしても、画面リーダーがそれを読み上げないことがあります。
・列ヘッダー内のアイテムを開いたり、ブラウズしたりしても、画面リーダーが読み上げないことがあります。 - [ウィジェットボード] ヨーロッパ経済領域(EEA)のユーザー向けに、ウィジェットとフィードのセキュリティおよびAPIの改善を行うため、ウィジェットボードの更新を段階的に展開しています。この更新の一環として、「Microsoft Start Experiences」アプリが「Microsoft Start」ウィジェットとフィード体験を提供します。また、この更新により、一部の既存のウィジェットが削除され、他のウィジェットは一時的に機能が制限される場合があります。この更新は、新しいウィジェットやその他の機能の基盤となり、まもなく展開される予定です。
通常の展開
以下は更新適用後、すぐに利用可能になります。
- [入力方式エディタ (IME)] コンボボックスに入力フォーカスがある場合、そのウィンドウを閉じるとメモリリークが発生する可能性があります。
- [国および通信事業者設定アセット] 特定のモバイル通信事業者向けに、COSA プロファイルを最新の状態に更新します。
- [Bluetooth] 特定の Bluetooth ポリシーを適用すると、外部デバイスとの接続が失われることがあります。
- [バインドフィルタードライバー] シンボリックリンクにアクセスすると、システムが応答しなくなることがあります。
- [統合書き込みフィルター (UWF) と Microsoft システムセンター構成マネージャー (SCCM)] UWF でデッドロックが発生するため、UWF を再有効化する SCCM タスクが失敗します。これにより、デバイスが再起動しなくなります。
- [休止状態停止エラー] 休止状態から再開すると、ラップトップが応答しなくなります。これは、カバーを何度も閉じたり開いたりした場合に発生します。
- [ファイルエクスプローラー] シェル ネームスペース拡張にあるフォルダーをブラウズすると、ナビゲーション ペインが更新されません。
- [Microsoft Entra シングルサインオン (SSO)] 欧州デジタル市場法 (DMA) で要求される SSO 通知が頻繁に表示されます。これは、証明書を使用して認証する際に発生します。詳細は「Windows シングルサインオンの今後の変更」を参照してください。
- [Windows Hello for Business] 資格情報画面で「PIN を忘れた」を選択しても、PIN リセットが機能しません。
以前のアップデートをインストールした場合、このパッケージに含まれる新しいアップデートのみがダウンロードされ、デバイスにインストールされます。
「KB5041587」の既知の不具合
「KB5041587」では、以下の既知の不具合が報告されています。今後も不具合情報が入り次第追記いたします。
Windows/Linuxデュアルブートに不具合発生
■不具合の概要:
このセキュリティ更新プログラムをインストールした後、デバイスで Windows と Linux のデュアルブート設定を有効にしている場合、Linux の起動で問題が発生する可能性があります。この問題により、デバイスが Linux を起動できず、「shim SBAT データの検証に失敗しました: セキュリティ ポリシー違反。重大な問題が発生しました: SBAT セルフチェックに失敗しました: セキュリティ ポリシー違反」というエラー メッセージが表示される場合があります。
2024 年 8 月の Windows セキュリティ更新プログラムでは、Windows を実行するデバイスに Secure Boot Advanced Targeting (SBAT) 設定を適用して、古い脆弱なブート マネージャーをブロックします。この SBAT 更新プログラムは、デュアルブートが検出されたデバイスには適用されません。一部のデバイスでは、デュアルブート検出でデュアルブートのカスタマイズされた方法が検出されず、適用すべきでない SBAT 値が適用されました。
■不具合への対処状況:
この問題については、Windows リリース ヘルス サイトに記載されている回避策を参照してください。
Windows 11 23H2:「KB5041587」のダウンロード&インストール方法
Windows 11 23H2向けのオプションパッチ「KB5041587」のダウンロード&インストール方法は以下の通りです。
※あくまでも“オプションパッチ”のため、必要に応じてインストール作業を行ってください。
- Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手
- Microsoft Update Catalogから更新プログラムをダウンロード
Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手する場合は、以下の通り作業してください。
まずは「設定」アプリを開き、最下段の「Windows Update」を開きます。
表示されている「2024-08 x64 ベース システム用 Windows 11 Version 23H2 の累積更新プログラム (KB5041587)が利用可能です。」の下にある【ダウンロードとインストール】をクリックします。表示されない場合は【更新プログラムのチェック】をクリックしてください。
コメント
Windows 11 バージョン23H2 なので「KB5041587」をインストールしました。ある時から「スリープ」にしておいて復活すると、画面がそのままじゃなくて始めに戻っているので、変だなあと思っていたら不具合だったんですね。今のところ、その不具合はありません。「スリープ」にしてから復活すると、前の画面になっています。
お疲れ様です!
スリープの不具合が改善したようで良かったです。
現状こちらは特に問題は発生していませんね。