Windows 10 22H2にオプションパッチ「KB5050081」が配信開始。新しい「Outlook」アプリが提供開始、Webカメラやオーディオ/DAC不具合の修正など。必要に応じてインストールを

Windows 10 22H2にオプションパッチ「KB5050081」が配信開始。新しい「Outlook」アプリが提供開始、Webカメラやオーディオ/DAC不具合の修正など。必要に応じてインストールを Windows 10
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Microsoftは、Windows 10 バージョン22H2を実行しているPC向けに、追加のオプションパッチ(通称“C”パッチ)「KB5050081」の配信を開始しました。

今回のオプションパッチ「KB5050081」では、残りサポート期間の短いWindows 10向けにも、新しい「Outlook」アプリの提供が開始されました。気になる方はぜひ試してみて下さい。

不具合修正として、Webカメラやオーディオ/DAC不具合、仮想メモリの不具合、プリンターの不具合、スクリーンキャプチャの不具合、NFCリーダーの不具合などが修正されています。

あくまでも「KB5050081」はセキュリティ修正を含まない定例外のオプションパッチであり、特に問題が発生していない場合は無理にインストールする必要はありません。必要に応じてインストール作業を行ってください。

なお、「KB5050081」の内容とセキュリティ更新を含む次回の定例月例パッチは2月12日(水)に配信予定です。

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「KB5050081」のアップデート内容

「KB5050081」の更新には、セキュリティ以外の各種品質改善が含まれています。主な変更点は次のとおりです。

Windows 10 バージョン 22H2

この非セキュリティ更新プログラムには、品質の向上が含まれています。以下は、このKBをインストールした際に解決される主要な問題の概要と新機能です。

■ メール(Mail)
🆕 新機能!
「new Outlook for Windows」アプリが利用可能になりました。スタートメニューのアプリ一覧に、新しい Outlook のアイコンが追加されます。設定や既定のメールアプリに変更はありません。
IT管理者向け情報:新しい Outlook のインストールと使用を管理する方法については、[Control the installation and use of new Outlook] を参照してください。

■ スクリーンキャプチャ
🔧 修正点
「Windowsロゴキー + Shift + S」を複数回押すと、キャプチャサービスやスニッピングツールが応答しなくなる問題を修正しました。この問題は ナレーター(画面読み上げ機能)を有効にしている場合に発生していました。

■ 中国語拼音入力方式エディター(IME)
🆕 変更点
Bingによる自動入力候補の提案を停止しました。影響を受けるのは、Baiduなどの検索エンジンサイトの検索ボックスです。手動で入力候補を表示するには、Ctrl + Tabキー または 「>」 を使用してください。

■ デジタル/アナログコンバーター(DAC)(既知の問題)
🔧 修正点
USBオーディオデバイスの動作に問題が発生する可能性がある問題を修正しました。特に、USB 1.0ベースのDACオーディオドライバーを使用している場合に影響を受けやすくなります。この問題が発生すると、USBオーディオデバイスが動作しなくなり、音声の再生が停止してしまうことがあります。

■ USBオーディオデバイスのドライバー
🔧 修正点
「コード10エラー(このデバイスを開始できません)」が表示される問題を修正しました。これは、特定の外部オーディオ管理デバイスに接続した際に発生することがありました。

■ USBカメラ
🔧 修正点
デバイスがカメラの起動を認識しない問題を修正しました。この問題は、2025年1月のセキュリティアップデートをインストールした後に発生していました。

■ GB18030-2022(中国国家標準文字コード)
🆕 新機能!
GB18030-2022規格のサポートを追加しました。

■ 仮想メモリ(Virtual memory)
🔧 修正点
仮想メモリの枯渇により、一部のアプリが正常に動作しなくなる問題を修正しました。

■ 近距離無線通信(NFC)リーダー
🔧 修正点
NFCリーダーがカードのユニバーサル一意識別子(UUID)を読み取れなくなる問題を修正しました。
多くのPOS(決済)アプリでスキャンを繰り返した後に発生することがありました。

■ USBプリントおよび IPP Over USB
🔧 修正点
プリンタースプーラーの初期化時に、インストール済みのプリンターが動作しなくなる問題を修正しました。

■ Windows カーネル脆弱なドライバーブロックリスト(DriverSiPolicy.p7b)
🆕 更新内容!
Bring Your Own Vulnerable Driver(BYOVD)攻撃のリスクがあるドライバーのリストを拡充しました。これにより、Windows のセキュリティが強化されます。

以前の更新プログラムをインストールしている場合、このパッケージに含まれる新しい更新プログラムのみがデバイスにダウンロードおよびインストールされます。

「KB5050081」の既知の不具合

「KB5050081」には現時点で以下の不具合報告があります。今後も不具合情報が入り次第追記いたします。

2024年10月の更新パッチ適用後、SSH接続ができなくなる不具合が発生中

■不具合の概要:
2024年10月のセキュリティ更新プログラムをインストール後、一部のユーザーからOpenSSH(Open Secure Shell)サービスが起動せず、SSH接続ができなくなる問題が報告されています。このサービスは詳細なログを出力せずに失敗し、手動で sshd.exe プロセスを実行する必要があります。

この問題は、企業、IoT、教育機関の顧客に影響しており、影響を受けるデバイスの数は限られています。Microsoftは、一般消費者向けのHomeまたはProエディションのWindowsを使用するユーザーにも影響があるかどうかを調査中です。

■不具合の一時的な対処方法:
次の手順で、該当ディレクトリのアクセス許可(ACL)を更新して問題を一時的に解決できます。

  1. PowerShellを管理者として開きます。
  2. C:\ProgramData\ssh および C:\ProgramData\ssh\logs のアクセス許可を更新し、SYSTEMAdministrators グループにフルコントロールを付与し、認証済みユーザーには読み取りアクセスを許可します。必要に応じて、特定のユーザーやグループに読み取りアクセスを制限できます。

以下のコマンドを使用してアクセス許可を更新します:

$directoryPath = "C:\ProgramData\ssh" $acl = Get-Acl -Path $directoryPath $sddlString = "O:BAD:PAI(A;OICI;FA;;;SY)(A;OICI;FA;;;BA)(A;OICI;0x1200a9;;;AU)" $securityDescriptor = New-Object System.Security.AccessControl.RawSecurityDescriptor $sddlString $acl.SetSecurityDescriptorSddlForm($securityDescriptor.GetSddlForm("All")) Set-Acl -Path $directoryPath -AclObject $acl

C:\ProgramData\ssh\logs に対しても同様の手順を繰り返してください。

■対処状況:
Microsoftは現在この問題を調査中で、今後のWindows更新プログラムで解決策を提供する予定です。解決策や追加の回避策が提供される際には、追って通知されます。

Citrixコンポーネントがインストールされたデバイスで2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムのインストールが完了しない場合がある

■不具合の概要:
特定のCitrixコンポーネントがインストールされたデバイスで、2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムのインストールが完了しないことがあります。この問題は、Citrix Session Recording Agent(SRA)バージョン2411がインストールされたデバイスで発生しました。このアプリケーションのバージョン2411は、2024年12月にリリースされました。

この問題が発生したデバイスでは、最初に2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムが正しくダウンロードされ、適用されます([設定]の[Windows Update]ページなど)。しかし、更新プログラムのインストールを完了するためにデバイスを再起動すると、「何かが計画通りに行きませんでした。心配する必要はありません – 変更を元に戻します」というような内容のエラーメッセージが表示されます。その後、デバイスは以前のWindowsアップデートの状態に戻ります。

この問題は、SRAアプリケーションのバージョン2411が新しいバージョンであることから、影響を受けるのは限られた数の組織にとどまる可能性が高く、ホームユーザーがこの問題の影響を受けることは想定されていません。

■対処状況:
Citrixはこの問題を文書化しており、2025年1月のWindowsセキュリティ更新プログラムをインストールする前に実行可能な回避策も提供しています。詳細については、Citrixのドキュメントを参照してください。

MicrosoftはCitrixと協力してこの問題の解決に取り組んでおり、解決策が利用可能になり次第、この文書を更新します。

Windows イベントビューアーの SgrmBroker.exe エラーについて

■不具合の概要:
2025年1月14日以降のWindowsアップデートを適用すると、一部のデバイスで SgrmBroker.exe に関連するエラー(イベントID 7023) が Windows Event Viewer に記録されることがあります。

エラーメッセージの例:「System Guard Runtime Monitor Broker サービスが次のエラーで終了しました: %%3489660935」
確認方法:「Windows ログ」 → 「システム」内のイベント 7023

■不具合の影響について:
このエラーはイベントビューアーを細かく監視している場合のみ確認可能であり、通知やダイアログボックスとして表示されることはありません。また、Windowsのパフォーマンスや機能に影響はなく、セキュリティレベルの低下も発生しません。

SgrmBroker.exe(System Guard Runtime Monitor Broker Service)は、元々 Microsoft Defender の一部でしたが、現在は不要なサービスとなっています。このサービスは、すでに他のWindowsバージョンでは無効化されています。

■対処方法(エラーを非表示にする方法)
このエラーは無視しても問題ありませんが、気になる場合は以下の手順で安全に無効化できます。

1.「コマンドプロンプト(管理者として実行)」を開く。
スタートメニュー を開き、「cmd」と入力し、「コマンドプロンプト」が表示されたら、右側の 「>」アイコンをクリックして「管理者として実行」 を選択。

2.以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
sc.exe config sgrmagent start=disabled

3.次に、以下のコマンドを入力し、Enterキーを押す。
reg add HKLM\System\CurrentControlSet\Services\SgrmBroker /v Start /d 4 /t REG_DWORD

4.コマンドプロンプトを閉じる

一部の組織(企業・学校など)では、グループポリシーにより変更が制限される場合があります。手動でこのサービスをアンインストールしたり、関連ファイルを削除しないでください。

■対処状況:
今後のWindowsアップデートで、SgrmBroker.exe は適切に処理される予定です。

 

Windows 10 22H2:「KB5050081」のダウンロード&インストール方法

Windows 10 22H2向けのオプションパッチ「KB5050081」のダウンロード&インストール方法は以下の通りです。
※あくまでも“オプションパッチ”のため、必要に応じてインストール作業を行ってください。

  • Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手
  • Microsoft Update Catalogから更新プログラムをダウンロード

 

Windows Updateの「更新プログラムのチェック」から入手する場合は、以下の通り作業してください。

まずは「設定」アプリを開き「更新とセキュリティ」を開きます。

その後「Windows Update」を開き、【オプションの品質更新プログラムがあります】の項目にある「2025-01×64 ベース システム用 Windows 10 Version 22H2の累積更新プログラム(KB5050081)」の下部にある【ダウンロードしてインストール】をクリックします。
※表示されない場合は【更新プログラムのチェック】をクリックしてください。

Windows 10 22H2:「KB5050081」のダウンロード&インストール方法

 

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