Microsoftは2026年6月23日、Windows 11(バージョン24H2・25H2)向けの累積更新プログラム/オプションパッチ「KB5095093」(プレビュー)をリリースしました。Patch Tuesdayとは別に毎月末に配信されるオプションのプレビュー更新プログラムで、セキュリティ修正は含まれません。
最大のトピックは、PCをまるごと以前の状態へ巻き戻せる新機能「Windowsのポイントインタイムリストア」の段階的な提供開始です。加えて、Windows Updateの一時停止UIの刷新、ウィジェットの改善、Bluetooth機能の強化、ごみ箱バグの修正など、多岐にわたる改善が含まれています。
インストール後のビルドバージョンは、Windows 11 24H2が26100.8737、25H2が26200.8737となります。
なお、次回のWindows Update/月例セキュリティ更新プログラムの配信日は、2026年7月15日(水)予定となっています。
KB5095093 の適用方法
KB5095093はオプション扱いのため、通常は自動インストールされません。「設定 → Windows Update」を開き、「更新プログラムのチェック」をクリックします。「ダウンロードしてインストール」というリンクが表示された場合はそこから手動でインストールします。「利用可能になったらすぐに最新の更新プログラムを入手する」を有効にしている場合は自動インストールされます。
Microsoft Update カタログからも手動でダウンロードできます。
【新機能】Windowsのポイントインタイムリストア ― PCを過去の状態に素早く復元
今回の最大の新機能が「Windowsのポイントインタイムリストア」です。アプリ・設定・個人ファイルを含むPCを、直近の自動復元ポイントへ素早くロールバックできる柔軟な回復機能です。問題が発生した際のダウンタイムを短縮し、トラブルシューティングを簡素化します。
なお、従来から「システムの復元」という類似機能が存在しますが、ポイントインタイムリストアとの主な違いは以下のとおりです。
| 項目 | ポイントインタイムリストア | システムの復元 |
|---|---|---|
| 設定場所 | システム設定 | コントロールパネル |
| 復元ポイントのトリガー | スケジュールによる自動取得のみ | イベントまたは手動 |
| 保持期間 | 最大72時間 | 無期限 |
| 対象範囲 | システム全体 | システムファイルと設定が中心 |
| ストレージへの影響 | 予約済みストレージを使用し影響を抑制 | 比較的高い |
| リモート管理 | 強力なリモート管理に対応 | 限定的 |
詳細はMicrosoftの公式ドキュメント「Windowsのポイントインタイムリストア」をご参照ください。
【段階的ロールアウト】新機能・改善のまとめ
この更新プログラムは段階的ロールアウトと通常ロールアウトの2フェーズで配信されます。段階的ロールアウトでは機能がデバイスへ届く時期が異なります。
Windows Update ― 終了日を選んで一時停止できるカレンダーUI
「設定 → Windows Update」にカレンダー形式のUIが追加されました。終了日を選ぶことで最大35日間、更新プログラムを一時停止できます。異なる終了日を選ぶことで延長・再一時停止も可能です。詳細は「Windowsの更新プログラムの一時停止」をご覧ください。
ウィジェット ― 割り込みを減らした静かな体験へ
ウィジェットがホバー操作では開かなくなり、通知やタスクバーバッジもデフォルトで最小化されます。初回起動時はウィジェットダッシュボードが直接表示され、ナビゲーションバーの「設定」から自由にカスタマイズできます。ダッシュボードのアイコンにはアラート件数が表示され、ダッシュボードを離れると自動でクリアされます。信頼性・応答性・視覚品質も向上しました。
アクセシビリティ ― スクリーンティントと拡大鏡の改善
目の疲労軽減・読みやすさ向上のためのスクリーンティント機能が追加されました。全画面カラーオーバーレイをプリセットから選んだり、強度を調整したり、自動オンにしたりでき、「設定 → アクセシビリティ」から利用できます。拡大鏡では倍率を直接数値入力したり増減単位で変更したりでき、拡大鏡バーから直接ズーム増分を変更することも可能になりました。
エクスプローラー ― クイックアクションのEntra ID対応とOneDrive修正
エクスプローラーのホームでファイルにカーソルを合わせると表示される「ファイルの場所を開く」「Copilotに質問する」などのクイックアクションが、職場・学校アカウント(Entra ID)でもサポートされるようになりました(※デバイスと地域によって利用可否が異なります。欧州経済領域では利用不可)。
その他の修正・改善は以下のとおりです。
- エクスプローラーの起動速度とパフォーマンスが向上しました(※デバイスと地域によって利用可否が異なります)
- 管理者モードで実行した際にOneDriveのショートカットが機能しなくなる問題を修正しました
- アドレスバーが二重バックスラッシュや引用符を含むパス(例:C:\\Users\\user や “C:\Users\user”)をサポートしました
- アドレスバーの候補ドロップダウンがアイテム選択後に確実に閉じるようになりました
- お気に入りセクションにOneDriveファイルが重複して表示される問題を修正しました
- フォルダービューでの名前変更時にテキストが繰り返し選択される問題を修正しました
- 大文字・小文字のみの名前変更がフォルダービューに即座に反映されない問題を修正しました
Bluetooth ― マイクのミュート同期とAirPods対応改善
Bluetoothヘッドフォンのミュートボタン使用時に、オーディオミキサーとHFP(ハンズフリープロファイル)間でマイクのミュート状態が同期されるようになりました。AirPodsのペアリングモードへの表示速度が向上し、Beats Studio Proのマイク信頼性も改善されています。
その他の改善点は以下のとおりです。
- 特定PCメーカードライバーでのWindows全体の安定性が向上しました(エラーコード 0x9F)
- クラシックオーディオデバイスのHFP利用時のBluetooth信頼性が向上しました
- LE Audioアクセサリのマイク使用中のオーディオ再生開始までの時間が短縮されました
- Bluetoothラジオが使用できない場合の「削除に失敗しました」メッセージが表示されなくなりました
- Bluetoothとデバイスの設定ページの安定性が向上しました
- 休止状態からの復帰後のBluetooth再接続時間が短縮されました
- 別デバイス接続によるLE Audioアクセサリ切断時の信頼性が向上しました
- 接続喪失・復元後のLE Audioストリーミングの信頼性が向上しました
BluetoothとPhone Link ― 通話オーディオのルーティング改善
ペアリングした電話から発信通話をかけた場合、呼び出し中はオーディオが電話側に残り、PCから通話に応答した時のみPC側に切り替わるようになりました。また、WindowsでDo Not Disturbが有効になっている場合、ペアリングした電話からの着信がPC側で鳴らなくなりました。
音声アクセス・音声入力 ― フランス語・ドイツ語・スペイン語に対応(Copilot+ PC)
フランス語・ドイツ語・スペイン語での音声アクセスと音声入力が利用可能になりました。話しながらリアルタイムで文法・句読点・認識エラーが修正され、背景騒音があっても明確なテキストが得られます。ディクテーションがより滑らかになり、手動編集の手間が軽減されます(Copilot+ PC限定)。
その他の機能改善
【オーディオ】インボックスHDオーディオドライバーの信頼性が向上しました。
【タスクバー】タスクバーのアイコンが左揃えの場合に、タスクバー左端を選択した際のスタートメニュー起動の信頼性が向上しました。
【ネットワーク】Confidential Virtual Machines(CVM)がデフォルトでSR-IOVハードウェアアクセラレーションを使用するようになり、ネットワークスループットが向上しました。また、Wi-Fi関連のブルースクリーンエラーが軽減され、IPv6 VPNを含むセルラー(WWAN)接続が改善されました。OSアップグレード後もネットワークアダプターの設定とバインディングが保持されます。
【印刷】新しいプリンターのインストールが、サポートされている場合にデフォルトでIPP(インターネット印刷プロトコル)を使用するようになりました。設定は「設定 → Bluetoothとデバイス → プリンターとスキャナー → Windowsレディプリントを使用してプリンターをデフォルトインストールする」から制御できます。
【Windows Subsystem for Linux(WSL)】VPNを使用したミラーネットワークモードでのWSL使用が改善されました。
【ディスプレイとグラフィックス】複数モニターをまたぐアプリのスクロール描画の信頼性が向上しました。カラープロファイルの適用の信頼性と持続性も向上しました。
【位置情報サービス】位置情報サービスがオフの場合、「既定の場所」などの設定がグレーアウトされるようになり、設定の有効タイミングの混乱が解消されました。
【検索】検索に関連するグループポリシーの設定の信頼性が向上しました。
【入力】「設定 → Bluetoothとデバイス → タッチパッド」で、右クリックゾーンのサイズを「デフォルト」「小」「中」「大」からカスタマイズできるようになりました(押下可能なサーフェスを持つタッチパッドのみ)。また、日本語の手書き入力時の英語文字の認識が改善されました。
【全般的なパフォーマンス】PC終了時のBackground Intelligent Transfer Service(BITS)のシャットダウン時間が短縮されました。
【全般的な信頼性】explorer.exeの信頼性が向上しました。サードパーティ資格情報プロバイダーに関連するログイン・ロック画面の問題、タスクバーアイコンのグレーのプレースホルダー表示、OneDrive同期中のファイルホームへの移動、デスクトップ切り替え時の安定性などが改善されました。スタートメニュー・設定・ロック画面でのアクリルぼかし効果の使用も改善されています。
【アプリ】KB5089549のインストール後に一部のインストーラーやアプリで予期しないUAC(ユーザーアカウント制御)プロンプトが表示される問題が解決されました。
【リモートデスクトップ】「設定 → システム → リモートデスクトップ」でリモートデスクトップを有効にした際のダイアログデザインが更新されました。
【グラフィックスカーネル】32GBを超えるメモリを搭載したPCがより大きなローカルAIモデルを実行できるよう、メモリ管理ポリシーが改善されました。
【通常ロールアウト】全ユーザーへ即時展開される修正
ごみ箱の既知の問題が修正済み
2026年6月のセキュリティ更新プログラム(KB5094126)をインストール後に、ごみ箱からファイルを完全削除する際の確認ダイアログに内部ファイル名が表示されるバグが修正されました。
その他の即時展開される修正・改善
【セキュアブート】Windows品質更新プログラムに高信頼性のデバイスターゲティングデータが追加され、新しいセキュアブート証明書を自動受信できるデバイスの範囲が拡大されます。
【認証】ドメインコントローラー間のNetlogonセキュアチャネル接続が改善され、2025年以前にセットアップされたドメインコントローラーへの接続が正常に行えるようになります。
【絵文字パネル】GIFコンテンツのプロバイダーが、Google Tenor APIの廃止に伴いGIPHYに変更されました。2026年6月30日以降もGIFを使用するには最新のWindows更新プログラムのインストールが必要です。更新しない場合、パネルに「GIFサービスは利用できません」というエラーが表示されます。
【ネットワーク】NetUseAdd関数など、アプリやシステム機能が使用する共有ネットワークリソースへの接続が、非認証(nullセッション)接続を含めより確実に機能するようになります。
【タスクバー】アプリ全体の通知バッジ表示が改善され、通知数とバッジのビジュアルが正しく更新されるようになりました。
コンポーネントの更新
AIコンポーネント
このリリースでは、以下のAIコンポーネントがバージョン1.2605.856.0に更新されます:画像検索、コンテンツ抽出、セマンティック分析、設定モデル。詳細は「AIコンポーネントのリリース情報」をご覧ください。
サービシングスタック更新プログラム(SSU)
KB5095182(ビルド 26100.8733)が含まれ、Windows更新プログラムのインストールプロセスの信頼性が向上します。
KB5095093:不具合情報
KB5095093では、以下の既知の不具合情報が入っています。今後、不具合情報が入り次第、このページに追記していきます。
※このページを再訪問した際は、念のためにブラウザの【更新】を行ってください。ブラウザキャッシュの関係で、最新の情報が表示されない場合があります。
サードパーティアプリからOfficeが開けない場合がある
2026年6月9日以降にリリースされたWindows更新プログラムをインストール後、特定のサードパーティアプリケーションがMicrosoft Officeアプリケーションを起動できない、またはドキュメントを開けないという問題が報告されています。
OLEオートメーションを使用してOfficeと連携するアプリが対象で、CCH Engagement・Workpaper Manager・歯科ソフトウェア(DentrixやSoftdentなど)・Zoteroなどでの影響が確認されています。影響を受けるMicrosoft Officeアプリケーションには、Word・Excel・PowerPoint・Accessなどが含まれます。
回避策:影響を受けるサードパーティアプリからではなく、アプリケーションやドキュメントを直接開くことで回避できます。修正は今後のWindows更新プログラムに含まれる予定です。
まとめ
KB5095093は、2026年6月23日にリリースされたWindows 11(バージョン24H2・25H2)向けのオプションのプレビュー累積更新プログラムです。PCをまるごと過去の状態に戻せる「Windowsのポイントインタイムリストア」をはじめ、Windows Updateの一時停止UI刷新、ウィジェットの改善、Bluetooth強化、音声入力の多言語対応など多数の新機能が段階的に展開されます。
通常ロールアウトでは、KB5094126由来のごみ箱バグ修正や絵文字パネルのGIPHY対応(6月30日までに適用推奨)などが即時配信されます。
セキュリティ更新は含まないオプション更新ですが、新機能をいち早く試したい方はWindows Updateから手動でインストールしてみてください。なお、サードパーティアプリからOfficeが開けない既知の問題が残っていますので、該当アプリをお使いの方はご注意ください。

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